稲葉篤紀「『キャプテン』にすごく影響を受けました」

  • スポルティーバ構成●文 text by Sportiva special thanks to Shimamura Seiya, ORIX BUFFALOES, CHUNICHI DRAGONS, HOKKAIDO NIPPON-HAM FIGHTERS
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

駿太(21歳)
「『キャプテン』(※5)です。小学校低学年の時にビデオで見たんですけど、古い感じがまったくしませんでした。爪をはがして血が出ているのに投げるところが大好きです。これを見るようになってから、さらに"壁当て"をやるようになりました。指先から血が出るほど自分を追い込む練習はしたことないですけど(笑)。好きだったのは、丸井キャプテンです。センターフライをみんなが追いかけて、結局、最後はセカンドの丸井が捕るんですけど、それはありえないだろうって思いましたね」

岸田護(33歳)
「好きな漫画はいろいろありますけど、野球漫画は見ていないんですよ。あまりリアルな感じがしないので......。好きだったのは『capeta』(※6)というカーレーサーの漫画です。主人公・カペタの所属するチームは金銭面など、環境が整っていないのですが、カペタは全精神力を注ぎ、強い気持ちで目標に向かっていく。そこに心を打たれました」

比嘉幹貴(32歳)
「『SLAM DUNK』です。僕らの世代はそう答える人が多いんじゃないですか。ストーリー、登場人物など、そのすべてがいいんですよ。好きなのは三井寿。やんちゃだったのに更正して、またバスケットに戻ってきた。熱いものを感じますね」

馬原孝浩(33歳)
「『わたるがぴゅん』(※7)ですね。最初に買った野球漫画の単行本です。単純に面白かったですね。主人公の与那覇わたるは、体は小さいのに、えげつないボールを投げたり、バッティングをしたりする。登場人物のキャラがみんな濃くて、楽しかったです」

佐藤達也(28歳)
「野球漫画なら『MAJOR』ですが、いちばん読んだのは『SLAM DUNK』ですね。兄が3人いて、みんなバスケが好きだったので、一緒に読んでいました。ストーリーはほとんど覚えています。その中でも、最後の流川が桜木にパスを出すシーンは最高ですよね。でも、好きな選手は副キャプテンの木暮(笑)。インターハイ予選の大事な場面での3ポイントシュートは忘れられないですね」

平野佳寿(30歳)
「『ドカベン』(※8)は 、ここで野球がしたいと初めて"甲子園"を意識した漫画ですね。子どもの頃、ふとしたきっかけでプロ野球編と出会ったのですが、読んでいると高校野球編があることを知ったんです。それがどうしても気になって、親父に頼んで買ってきてもらいました。高校野球編はストーリーが最高ですよね。僕はプロ野球編から入ったのですが、過去を遡(さかのぼ)っていく面白さもありました。"山田と里中はこういう風に出会って、今があったのか"とか。プロ野球編では意味がわからなかったのに、高校野球編を読んで謎が解けるなんてこともありました。高校野球編に夢中になって、途中からプロ野球編を読まなくなりました(笑)。その流れで、水島新司先生の作品は他もかなり買い揃えました。自分が『あぶさん』に出させてもらった時は嬉しかったですね。打たれてましたけど(笑)。水島先生の作品の中で好きな選手は『ドカベン』の不知火守(しらぬい・まもる)ですね。本当にカッコいい」

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