160キロは天性の才能。大谷翔平の時代が到来した (3ページ目)

  • 島村誠也●構成 text by Shimamura Seiya
  • 小池義弘、甲斐啓二郎●写真 photo by Koike Yoshihiro、Kai Keijiro

吉井 ただ、実力はすごいものを持っているので、本当の意味でプロのピッチャーになった時がとても楽しみです。そういえば、2年目の大谷翔平(日本ハム)を忘れていました。

石井 あのピッチングを見ると、2年目という感じがしません。

吉井 堂々たる成績ですよね。飛躍した要因として、日本ハムの育成方針があると思います。フォームをいじらず、コンディション作りに重点を置いて体を鍛えた。それが彼にうまくはまったんじゃないでしょうか。

石井 投手だけでもすごい成績なのに、打者としてもしっかり結果を残している。二刀流は見ていて本当に楽しいです。ただ僕は、ピッチャーとバッター、どちらも思いきってやれていないんじゃないかと思うんですよ。ピッチャーとしての練習量は本当に足りているのか……とか。でも、あの数字を見れば、何も言えないですけどね(笑)。

吉井 たしかに、登板したあと、中6日で体力を回復させなければいけない時に、野手として試合に出場しているわけだからね。もちろん、そうしたことを見越してオフの間、トレーニングに励んだと思います。あの大きくなった体を見れば、オフの間、しっかりトレーニングを積んだことがわかりますからね。

石井 ピッチャーとして10勝、打者として3割。そして彼なら30盗塁も十分に可能だと思います(笑)。それぐらい期待してしまう選手ですよね。

吉井 間違いなく、大谷翔平の時代が来るでしょう。いや、もう来ているかもしれません。無責任かもしれないけど、やっぱり二刀流は見ていて本当に楽しい。ただ、日本ハムのコーチたちは、早くどっちかに専念してほしいと思っているんじゃないでしょうか。求められる数字が高くなればなるほど、体の負担も大きくなる。これからが本当の勝負になるでしょうね。

石井 しかし、160キロはすごいのひと言です。努力で到達できる数字じゃないですから。やっぱり持っているものが違うんでしょうね。

吉井 150キロなら、プロレベルのピッチャーであれば努力で投げられるかもしれないですが、160キロは生まれ持った才能がないと難しいでしょうね。しかし、パ・リーグはいい投手が多いよな。僕もヤクルトに3年在籍したことがあるのですが、基本はパ・リーグの男なんで、どうしてもパ・リーグの投手に目がいってしまう。

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