160キロは天性の才能。大谷翔平の時代が到来した (2ページ目)

  • 島村誠也●構成 text by Shimamura Seiya
  • 小池義弘、甲斐啓二郎●写真 photo by Koike Yoshihiro、Kai Keijiro

吉井 環境が変わって、いい意味で化けた選手のひとりですよね。この他に、今年注目していたのが、入団2年目の投手たちです。菅野智之(巨人)、小川泰弘(ヤクルト)、則本昂大(楽天)、藤浪晋太郎(阪神)です。この4人を見ていると、"2年目のジンクス"という言葉も死語になりつつあると実感しますよね。彼らは1年目から活躍しているわけですけど、最近のルーキーたちは総じてレベルが高い。

石井 おっしゃる通り! 本当にレベルが高いですよね。

吉井 アマチュアの時の過ごし方が良くなったのですかね。一昨年まで日本ハムで5年間コーチをしていましたが、教えることがほとんどなく、手のかからない選手がほとんどでした。

石井 ストライクが全く入らないピッチャーがいなくなりましたよね。以前はそういうピッチャーが必ずいたんですが......(笑)。

吉井 今は情報がたくさん入ってくる時代です。そういうのも関係していると思います。昔は、1年目に活躍してもオフの過ごし方がわからず、調整に失敗する投手が多くいました。でも今は、オフをどう過ごせばいいかということを選手自身が知っている。

石井 感心させられることが多いです。意識の高い選手が本当に増えたと思います。

吉井 菅野や小川は自分の投球フォームのメカニックをよく理解していますし、何をどこに投げたらいいのかをわかっています。ともに、バッターを打ち取る必殺パターンを持っていますよね。

石井 ただ、則本には少し不安を感じています。昨年は1年を通してフルに活躍しましたし、おまけに力投派です。則本のような力投派は、急に球速が落ちたり、故障したりするんです。あれだけ思い切って腕を振ると、バッターには脅威ですが、スタミナという部分での不安が大きい。素晴らしい球を持っている投手だけに少し心配です。

―― 2年目でいうと、DeNAの井納翔一投手が早くも10勝をマークしました。

吉井 はまった時のピッチングはすごいですけど、まだプロの投手になりつつある段階ですよね。今は勢いで投げているというか、なぜいいピッチングができているのか、まだわかっていないように感じます。あくまでも僕のイメージですが......(笑)。

石井 調子が良くない時は、初回に失点してしまうとそのままズルズルいってしまう印象があります。ちょっと雑になってしまうというか。

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