プロが脱帽。オリックス金子千尋はココが凄い! (2ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 ロッテの内野手、根元俊一にも金子の印象について聞いてみた。

「今まで金子投手が僕に投げてきた球種は、真っすぐ、カットボール、スライダー、フォーク、カーブ、チェンジアップ......めちゃくちゃ多いですよね(笑)。しかもただ多いだけでなく、すべて精度も高いです。たとえば、いろんな球種を投げる投手はたくさんいます。でも、結局は、得意なボールとそうでないボールが絶対にあるんですが、金子投手はそれがまったくない。さらにいえば、ボールカウントに関係なく、どの球種でもストライクが取れる印象があります」

 同じくロッテの外野手、岡田幸文の金子評はこうだ。

「追い込まれる前に何とかしないといけないピッチャーですよね。いろんな球種でストライクが取れますから。それにストライクゾーンからボールゾーン、逆にボールゾーンからストライクゾーンに意識的に投げることができる。追い込まれてしまったら、とにかく1球でも多く投げさせることだけを考えています」

 交流戦で対戦したセ・リーグの打者はどうか。広島の内野手、梵英心はこう語った。

「他のピッチャーと比べて、この部分が厄介だとか、そういうことじゃないんですよね。トータル的に厄介なんです。だから、対策を立てられない。対戦するのがタフなピッチャーですよね。球種も多彩だし、そう簡単に打てないピッチャーです。とにかく、対戦する時はあまり考えず、ストライクが来たら打つ。そういう感じですね」

 現在、オリックスでチームメイトの鉄平は、昨年まで楽天に在籍していた。それまでの通算対戦成績は57打数11安打、打率.193と抑え込まれた。

「打ってないですね。まあ、そんなもんでしょう。ボールのキレ、勢いは当然ですが、集中力も高い。追い込まれたら終わりです。とにかく、ほとんど来ませんが、たまに来る甘い球を一発で仕留めるしかチャンスはないです。金子くんが新人の時から、楽天の選手たちと『このピッチャーが先発として出てきたら厄介なことになるぞ』とよく話していました。本当に厄介なピッチャーになりましたね」

―― 今年は敵から味方になりました。

「これほど頼もしい存在はいないですね。テンポも制球力もいいので、すごく守りやすい。野手のことを気遣いながら投げている感じがしますね。目標意識も高く、自己管理もしっかりしていますし、練習もよくします」

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