プロが脱帽。オリックス金子千尋はココが凄い!

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 ダルビッシュ有(現・レンジャーズ)や田中将大(現・ヤンキース)が去った今、「日本球界ナンバーワン投手は誰か?」となった時、真っ先に名前が挙がるのがオリックスのエース・金子千尋だ。

 7月31日現在、勝ち星は9勝(3敗)でリーグ2位だが、5月16日のソフトバンク戦から7連勝中。防御率(1.74)、奪三振数(146個)とも堂々のリーグトップ。さらに投球内容も圧巻で、先発した17試合中、7イニング以上投げたのが13試合。また、記憶に新しいのが5月31日の巨人との交流戦だ。勝敗こそつかなかったが、巨人打線を9回までノーヒットに抑えるなど、これぞエースのピッチングを見せた。

昨年は田中将大を上回る200奪三振を記録した金子千尋。昨年は田中将大を上回る200奪三振を記録した金子千尋。

 実際、金子と対戦する打者に印象を聞くと、ほとんどの選手が「多くの変化球を投げ、どの球種も精度が高い」と口を揃える。マウンドからホームベースまでの18.44mの中で、プロのバッターたちは金子のピッチングに何を感じているのだろうか。

「ひと言で表現するならスーパーピッチャーですね」

 西武の正捕手、炭谷銀仁朗は言った。

「高低、内外、緩急、縦の変化、横の変化、全部使えますからね。その上、コントロールも抜群。攻略は難しいですね。金子投手は、味方が1点しか取れなければ0点に抑えるピッチャーです。だから、金子投手と対戦する時は味方ピッチャーへの要求も厳しくなってしまいます。言い方は悪いですが、たとえば、相手投手のレベルが少し落ちる場合は、1点取られてもOKの攻め方ができるんですけどね」

―― その金子投手に、今季はここまで6打数2安打です。

「まあ、僕は下位ですからね。息抜きの打順というか(笑)。上位に比べてチャンスボールが多いことは確かなので。そういう意味では、下位からチャンスを作るというのは重要かもしれません。でも、あそこまでのスーパーピッチャーのレベルになれば、自分でギアの上げ下げができますからね」

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