元同僚たちが語るルナ「誰もアイツの活躍に驚いてないよ」 (3ページ目)

  • ブラッド・レフトン●文 text by Brad Lefton
  • photo by Nikkan sports

 エンカーナシオンは、メジャーデビューしてから7年間の通算打率は2割4分台で、ホームランは1シーズン平均18本だった。それが2012年になって突然、打率.280、42本塁打と才能を開花させた。昨年も打率.272、36本塁打と活躍。一躍、メジャーを代表する打者へと変貌を遂げた。

 オーバーベイは、エンカーナシオンと同じことがルナにも起こっているのではないかと説明した。

「ルナは力もあったが、どの方向にも打球を飛ばせる選手だったのです。エンカーナシオンは、引っ張る力がありました。それをトロントにてようやく熟知し、使いこなせるようになったのだと思います。 ルナの場合は、おそらく持ち合わせている力に頼り過ぎていたのではないでしょうか。それを日本の野球界が、ルナの持つ多方向へ打球を操れるという側面を引き出したのではないかと思います。 見たわけではないので、彼がどのようにして才能を開花させたのかはわかりませんが、彼がボールを全方向に操れる天性の才能を持っていたことだけは、はっきりと言えます。 想像なんですけれども、環境が変わったということが、ついに彼の持っていたものを引き出してくれたのかなとも思います」

 アメリカ時代のルナを知っている人で、彼の日本での成功に驚いた人はいなかった。ただ、ルナの才能を知る人たちは、それまでメジャーで力を発揮できなかったことにただただ驚いているのだ。

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