若き先発投手が揃う日本ハム、広島に巻き返しの予感 (2ページ目)

  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 その金子とともに、オリックス先発陣の軸として前半戦活躍したのが西勇輝です。ここまで西はハーラートップの11勝(4敗)を挙げていますが、最近の5試合を見ると3勝2敗。白星こそ先行していますが、この間、一度も7回以上を投げていません。それにシーズン序盤に比べると、明らかにボールの威力は落ちています。どこまでシーズン序盤の調子を取り戻すことができるのか。ここ最近のようなピッチングが続くと、リリーフ陣にも負担がかかります。西は完投能力のある投手だからこそ、少しでも長いイニングを投げて、リリーフ陣を休ませたい。正直、オリックスの優勝は西にかかっていると言っても過言ではありません。

 オリックスと優勝を争っているソフトバンクも、先発陣は磐石ではありません。なかでもエース・攝津正の状態が気になります。ここまで13試合に先発して6勝3敗、防御率3.13。決して悪い数字ではないのですが、攝津の実績からすれば物足りない数字です。何より完投は1試合しかありません。攝津が厳しいとなると、彼に続く中田賢一、ジェイソン・スタンリッジがどれだけカバーできるか。今はリリーフ陣が頑張ってくれていますが、夏場の登板が続けば、勝負どころで厳しくなる。そうならないためにも、先発がどこまでイニングを稼げるかがポイントになってくるでしょうね。

 その点、パ・リーグで最も注目しているのが日本ハムです。先発ローテーションに大谷翔平(20歳)、上沢直之(20歳)、浦野博司(25歳)と若くて才能ある投手が多いのが最大の魅力です。大谷はここまで9勝1敗、防御率2.23と本当の意味で化けました(笑)。シーズン序盤は、ピッチングもフォームも不安定なところがあったのですが、ここ数試合は崩れる気配がありません。結果もさることながら、内容的にもいま12球団でナンバーワンの投手ではないでしょうか。

 その大谷に次ぐのが、3年目の上沢です。6勝5敗、防御率3.30と大谷ほどのインパクトはありませんが、開幕からローテーションを守り、日本ハム投手陣にとって欠かせない存在となっています。上沢の魅力は、大谷と一緒でまだまだ成長途中であるということ。投げるたびにピッチングがうまくなっているような気がしますし、もっとスピードも出てくると思います。そしてルーキーの浦野は、さすが社会人出身者だけあってピッチングのうまさとマウンドでの冷静さが光っています。

 彼らはまだ1年を通して投げたことがなく、未知数な部分もありますが、それ以上の可能性を秘めています。現在、2位のソフトバンクとは8ゲーム差ありますが、彼らの活躍次第でその差を詰めることは十分できると思います。

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