最弱投手陣のヤクルトが後半戦の台風の目に! (4ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 ここに故障者たちが復帰してくれば、上位チームにとってヤクルトは相当厄介な存在になる。高津コーチによれば、バーネットは近いうちに復帰。小川とロマンは復帰時期は未定だが、順調に回復しているという。他に村中も復帰間近だし、由規も先日、2年ぶりに打者相手に投げて145キロを超す真っすぐを投げた。

「今、一軍で投げている投手たちには生き残るために何が必要かを考えてもらいたいですね。誰かが戻ってくれば、誰かが抜けなければならない。普段はみんな楽しくやっていますが、どこかでライバル心や燃えるものがないといけないと思うんです。いい意味で刺激しあえば相乗効果となって、チーム力も上がるはずです」(高津コーチ)

「まだシーズンの半分も終わってないですし、上位とはそこまで大差はありません。打線が強力ですし、投手陣が頑張れば上位にいけるチャンスはあると思っています。これから夏場に向けて僕らが頑張らないといけない。そこに向けて自主トレから取り組んできましたから。夏場は楽しみかなと思いますね」(石川)

 6月14日現在、首位の巨人とは9ゲーム差あるが、3位の阪神とは4.5ゲーム差。リーグ最強の打線をバックにより攻撃的なピッチングができれば……。少なくとも4点台後半の防御率が4点台前半になるだけでも、ずいぶんと結果は違ったものになってくるはずだ。脆(もろ)さもあるが、未知の力も秘めている。セ・リーグ後半戦の台風の目は、意外にヤクルトかもしれない。

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