ハマの大エースへ。井納翔一が語る「2年目の飛躍のワケ」 (3ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • photo by(C)YOKOHAMA DeNA BAYSTARS

―― 井納投手はプロ2年目ですが、年齢は28歳です。プロに入るまでに時間がかかりましたが、自分の中で遠回りしてしまったという思いはありますか。

「遠回りかもしれないですけど、大学では4年の時しか成績を残していないですし、社会人でも4年目しか結果を出せませんでしたから……。その8年の間に何があったかと言えば、自分なりに苦しんだ中でたくさん学ぶことがありました。それが今、この世界に入ってから少なからず生きていると思っています」

―― 同世代の選手が早くからプロで活躍する姿に、焦ったりしたことはありましたか。

「そういう気持ちは、プロ入りする前も今もないです。自分の同世代でいちばんの選手といえばダルビッシュ有(レンジャーズ)で、彼に対しては単純に凄いなっていう憧れはあります。でも、自分は自分じゃないですか。今は年齢がいっていたにもかかわらず、自分を獲ってくれたチームに対して精一杯のことをするだけです」

―― 同じ2年目の投手を意識したりしますか? 今年はチームメイトの三嶋一輝投手、巨人の菅野智之投手、ヤクルトの小川泰弘投手、楽天の則本昂大投手が開幕投手となりました。

「三嶋については取材の時によく言われますけど、競争意識はないですね。もちろん、ローテーションに入るために、チーム内で最初に戦う必要があることは知っています。でも、それを意識するあまり、自分のやるべきことを見失ってしまう方が怖いです」

―― 井納投手にとって、三嶋投手はどんな存在ですか。

「今、三嶋は一軍にいないんですけど、早く戻ってきてもらって、自分もずっと一軍にいて、最終的にはふたりでチームを盛り上げていきたいと考えています。いつも取材では『三嶋とともに、友とともに』と答えています」

―― DeNAの投手陣には、三浦投手をはじめ、今季から加入した久保康友投手、尚成投手といったベテランもいます。

「すごく勉強になります。三浦さんはコーチ兼任ということもあって、試合後にアドバイスをくださいます。久保さんもそうです。ヒサ(尚成)さんはアドバイスにプラスして、その……なんて言うんですかね、試合前とかでもリラックスさせてくれるんです。昨年の自分は、球場入りしてから試合が終わるまで、全然余裕がなくて……。それが、ヒサさんに似てきたわけじゃないですが、今年は登板日でも普段通りにできるようになった気がします。そういうことも、今の結果につながっているかもしれないですね」

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