新外国人査定。優勝に貢献する「本物の5人」とは?

  • スポルティーバ●文 text by Sportiva
  • 横山雅樹●写真 photo by Yokoyama Masaki

◎田口壮(元オリックス、カージナルスほか)

「打者で目立っているのがゴメスです。先日、甲子園で彼のバッティングを見たのですが、打ち方がチームメイトのマートンにそっくりでした。あれを見た時に、きっとマートンからいろいろとアドバイスを受けているのだろうなと思いました。外国人選手が日本に来て、最初に戸惑うのがタイミングの取り方だと思います。アメリカは150キロを超すピッチャーが多く、ボールを動かしてきます。そのため、コンパクトにタイミングを取らないと遅れてしまう。それが日本で同じタイミングの取り方をしてしまうと、今度は早すぎて微妙にズレてしまう。ゴメスのバッティングを見ると、タイミングの取り方が非常にうまいんです。本人の感覚的な部分もあると思うのですが、マートンの影響は大きいと思いましたね。投手なら、同じく阪神の呉昇桓(オ・スンファン/12試合、1勝0敗12S、防御率2.25)です。彼の場合は、評判通りといいますか、期待通りの活躍をしてくれていますよね。ストレートのスピード、キレはさすがだなと思うのですが、空振りを取れるボールがあればもっと安心して見ていられると思います。いずれにしても、ゴメス、呉昇桓の活躍がチームに勢いをもたらしたのは間違いないと思いますよ」

◎槙原寛己(元巨人)

「いい意味で期待を裏切ってくれたのが、巨人のレスリー・アンダーソン(打率.375、5本塁打、24打点)です。キャンプで見た時は、本当に大丈夫かなと思ったぐらいですから。まず、インコースがまったく打てなかったんです。いつもどん詰まり。それがシーズンに入ると、腰をうまく回転させてきれいに打つんです。この短期間で習得したのか、もともとこういうバッティングができるのかわかりませんが、身体能力の高さを感じます。守備は決してうまくないので、相当打たないとレギュラーは厳しいかなと思っていたのですが、この成績だと外す理由がないですよね。ミートがうまいし、コースに逆らわないバッティングができる。日本の投手の攻め方に慣れてくれば、もっと成績を残すと思います。投手は......思いつかないですね。巨人のクリス・セドンが4月9日の広島戦で15奪三振の快投を演じましたが、良かったのはあの試合だけですからね。ボールにキレがなく、物足りない感じがします」

◎野村弘樹(元横浜コーチ)

「巨人のアンダーソンの活躍にはちょっと驚いています。キャンプ、オープン戦での印象は、体が前に突っ込んでしまうため変化球への対応ができず、バットのグリップが上下するヒッチのクセもあり、『日本では相当苦労するだろうな』というものでした。それがオープン戦終盤ぐらいから変なクセもなくなり、タイミングの取り方も良くなっていました。聞くところによると、すごく練習熱心で、コーチのアドバイスも素直に聞き入れるようなんです。そうした姿勢が今の結果につながっていると思います。すでに32歳と年齢的にもギリギリですし、何とか日本で成功してやろうという強い気持ちがうかがえます」

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