【プロ野球】1年の計は開幕戦にあり。ゲンを担ぐ選手、担がない選手 (4ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • 青柳憲司●写真 photo by Aoyagi Kenji

 ところで、石川はチームの後輩であるライアンこと小川泰弘から「開幕投手は緊張しますか?」と聞かれたという。

「僕が経験したことを伝えました。『開幕戦は独特の雰囲気だよ。そこで結果を出せば自信になる』と。楽しめって言葉はあまり好きじゃないのですが、『思い切ってやることが大事だよ』とも言いました」

小川泰弘(ヤクルト/投手/24歳)

―― 開幕マウンドは楽しめそうですか。

「わからないです。今は全然、想像がつかないです。開幕投手が決定して、しっかり投げなければと感じましたし、自分にプレッシャーをかけすぎているかもしれません」

―― 当日は同じ2年目の三嶋一輝(DeNA)との投げ合いになります。また、同じ2年目の巨人の菅野智之や楽天の則本昂大も開幕投手に決定しました。意識しますか?

「意識ですか。気には……、気にするというか……。自分に精一杯なのでそんなに気にはしてないです」

そして小川は「思うようなボールがいってない感じがします」と何度も言った。このオープン戦では3試合に登板して0勝2敗、防御率6.43。本来の力を発揮できずにいる。呑気に鯛のおかしらつきについて聞く雰囲気ではなかった。

川端慎吾(ヤクルト/内野手/27歳)

「開幕だからといって、変わったことは何もしないですね。特別なことといえば早く寝るくらいですかね(笑)。まだ開幕戦は1回しか経験していないんですけど、1打席目は緊張しますね。今年は神宮で開幕ですし、ファーストストライクから積極的に行くつもりです。アウトになってもバットをしっかりと振る。それが出来ればそのあとも大丈夫かなと」

田中浩康(ヤクルト/内野手/32歳)

「開幕前夜は普段とは違う特別な気持ちがありますね。長いシーズンがいよいよ始まる。当然、不安は募ってくる。そして少しの期待(笑)。バットやスパイクは使い慣れたもので行きますが、アンダーシャツや手袋などそんなに影響のないものは新しい製品を用意します。鯛ですか? そこは普段着で(笑)。いつもと変わらない食事です。でも、いきなり鯛なんてうらやましいですね。試合前に豪華な食事をしてみたいものです」

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