【プロ野球】1年の計は開幕戦にあり。ゲンを担ぐ選手、担がない選手 (2ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • 青柳憲司●写真 photo by Aoyagi Kenji

藤岡貴裕(ロッテ/投手/25歳)

「開幕の日じゃないですけど、去年は奥さんが初登板の日に鯛のおかしらつきを用意してくれました。これが縁起ものなのかと思って食べましたね。その試合は一応勝ちましたが、今年はどうでしょうか。基本的にゲンを担がないタイプなので。でも、ゲンを担ぐ選手はいますよ。グラウンドに入る時は右足から入ったり、朝は何時に起きて何を食べるのかを決めていたり、赤いパンツを履いたり......。僕は、それができなかった時に『あっ、ダメだ』となるのが嫌なんです。だから、ゲンを担がないんです。やはり、初登板の時は緊張しますね。前日から徐々に緊張が高まってくる感じです」

井口資仁(ロッテ/内野手/40歳)

「あー、僕は開幕の前の日に食べますね。赤飯と一緒に。毎年、カミさんが作ってくれます。開幕当日は、球場の食堂でもすごく大きい鯛が出されます。アメリカにいた時も、カミさんが日本食のスーパーに行って、鯛を買って焼いてくれていました。まあ、鯛は縁起モノですからね。今の若い選手たちにはわからないかもしれないけど、僕らの中では"鉄板"みたいなところがありますからね(笑)」

後藤武敏(DeNA/内野手/33歳)

「鯛は食べないですけど、開幕前日に家族を連れて景気づけに外食します。だいたい肉。焼肉です。肉を食って、1年間頑張ろうみたいな(笑)。鯛は開幕の日に食堂に用意されているのを、よくつまみます。縁起モノですから、ちょっとは口にした方がいいかなと。それ以外はいつもと変わりません。僕はルーティンを大事にするので、開幕前に何かを変える必要はないと思っています。ただし開幕戦は、精神面だけは普段通りになりません。気持ちがフワフワして、足が地についていません。何年経っても、バリバリ緊張します。特に初打席はどうしても体が硬くなって動きが悪い。その状況で、いかに自分の感覚でバットを振ることができるのかが大事です。最初に『あー、あそこで振っとけばよかった』とか悔いを残すとその後に影響しますから。そのためにも初打席は積極的に振るようにしています」

山口俊(DeNA/投手/26歳)

「えーっ、開幕の時に鯛を食べるんですか。確かに、開幕の日は食堂に鯛がありますね。"めでたい"ということなんですね。だからといって、いつもとやることは変わりません。開幕前日もいつも通り、外に食べに行きますし......。ただ、開幕戦は特別な緊張感がありますね。中継ぎ投手は自分が投げるまで開幕にならないので、開幕から3試合出番がなかったシーズンは落ち着かない状態が続いて、精神的に疲れました。どんな状況でもいいので、とにかく開幕ゲームで投げたいです」

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