解説者7人が挙げる「2014年プロ野球、期待の12人」 (2ページ目)

  • 中島大輔●文 text by Nakajima Daisuke
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

◎薮田安彦(元ロッテ)

「今年の大谷翔平(日本ハム)はカーブを投げるようになり、ピッチングが安定してきました。しかも、しっかり空振りを取れています。オープン戦を見ていると、ピッチングのリズムをつかめているように感じますね。開幕から先発ローテーションに入る予定ですし、どんなピッチングを見せてくれるのか期待しています。バッターとの二刀流は難しい部分もあると思いますが、オープン戦でのピッチングを見ると去年より数段よくなっているので、期待できるはず。セ・リーグで注目しているのは、プロ入り2年目の菅野智之(巨人)。本当に器用で、頭のいいピッチャーです。バッターと対峙して『打ってこない』と感じれば、簡単にストライクを取りにいく。1年目の昨季から自分でしっかり考えて、ピッチングをしていました。2年目の今季は開幕投手を務めますが、去年成績を残したことが自信としてプラスになっているはず。昨季以上に活躍するのではと期待しています」

◎槙原寛己(元巨人)

「今年の菅野智之は相当勝つと思います。去年は13勝でしたが、もっと勝ってもおかしくない投球内容でしたから。最低でも15勝はするはずです。先日、本人と話しましたが、自信に満ちあふれている様子が伝わってきました。もともとコントロールのいいピッチャーですし、ボールのスピード、キレも去年よりアップ。菅野のように力みのないフォームからキレのあるボールを投げられると、バッターは差し込まれてしまいます。イメージとしては、去年の田中将大のような感じ。オープン戦で見せていた投球を1年間できれば、勝ち星だけでなく投球回数も増えていきます。そうなれば、リリーフの負担も減ります。そういった、まさにエースというピッチングを見せてくれると思います。もうひとり、キャンプを見て『いいな』と思ったのが藤浪晋太郎(阪神)です。投げる時にインステップだったフォームが矯正されたことで、コントロールがよくなりました。インステップは体の負担が大きく、ケガの不安もあります。それを直したことで、今年の藤浪はワンランク上を目指せます。ボールに勢いがあり、非常に楽しみです。菅野、藤浪、さらにはヤクルトの小川泰弘という若い投手の出現は、リーグ全体のレベルアップにつながるので、見ていてワクワクしますね」

◎金村義明(元近鉄、中日、西武)

「西武からロッテに移籍した涌井秀章に期待しています。新しいユニフォームを着ると、僕も経験がありますが、『もう一度やってやるぞ』という気持ちにさせてくれます。気分的にすごく乗っていけるので、ちょっとしたきっかけをつかめは、涌井は必ず復活すると思います。オープン戦ではなかなか思うような結果を残せていませんが、彼の力はこんなものじゃないはず。最多勝2回、沢村賞1回を獲った実力を、もう一度見せてもらいたいですね。野手では、同じく西武から巨人に移籍した片岡治大。近年はケガなどもあって思うようなプレイができていませんでしたが、彼のセンスというのは巨人にとって大きな武器となるはず。ただ、巨人というチームは西武時代と比べものにならないぐらいプレッシャーがあります。その中で、彼がどんなプレイを見せてくれるのか注目しています。片岡がうまく機能すれば、巨人打線は本当に手がつけられなくなる。相手チームにしてみれば、要注意の選手であることは間違いないでしょうね」

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