解説者アンケート「今年注目のルーキーはこの8人!」 (2ページ目)

  • 中島大輔●構成 text by Nakajima Daisuke
  • 小内慎司●写真 photo by Kouchi Shinji

◎金村義明(元近鉄、中日、西武)

「何といっても注目は松井裕樹。ボールも素晴らしいけど、マウンドでの堂々とした雰囲気が新人離れしている。それだけ自信を持っている証拠だと思います。コントロールも含め、まだまだ課題はあるけど、1年間ローテーションを維持できれば、2ケタ勝利の可能性は十分あると思います。打者で面白いと思うのが井上晴哉(ロッテ・ドラフト5位)。100キロを超す巨漢ながら、バッティングが非常に柔らかい。ミートがうまく、コースに逆らわないバッティングができる。オープン戦序盤から結果を残して、徐々に落ちてくるのかなと思ったら、最後まで好調をキープした。それはしっかりとした技術を持っているからです。体勢を崩されてもヒットにできるし、4番はともかく、試合で使い続ければ結果を残すと思います」

◎与田剛(第2、3回WBC投手コーチ)

「春季キャンプで大瀬良大地(広島・ドラフト1位)を見た時、冷静に、自分のペースで取り組んでいる姿に感心しました。注目を集めるルーキーにとって、なかなか難しいことです。実際に投げている球も素晴らしいですよ。球に角度がある一方、低めに集めようとする意識が高い。それも指先で投げるのではなく、しっかり下半身で投げようとしています。身体の土台をつくれば、ストレートだけでなく、変化球のリリースも安定してくることがわかっています。去年、巨人の菅野(智之)を見たときと同じ印象を受けました。一方、パ・リーグで注目を集める楽天の松井(裕樹)は、今のままでは少し厳しいと思います。確かに素質は素晴らしいですが、阪神の藤浪(晋太郎)と比べると、持っている球種が違います。松井の場合、スライダーで空振りではなく、見逃しでストライクを取れるようにならないと、しんどいと思います。なぜならボール球になる変化球は、プロのバッターなら見逃しますから。シーズン中、スライダーでどれだけ見逃しのストライクを取れるか、注目しています」

◎吉井理人(元日本ハム投手コーチ)

吉田一将(オリックス・ドラフト1位)はアマチュア時代から高い評価を受けていただけあり、いいものを持っています。持ち味はコントロール。球の質は、ヤクルトにいた岡林洋一(元ヤクルト)に似ています。吉田も岡林と同じく、疲れてコントロールが悪くなると、打たれるタイプ。まだ体の線が細い印象を受けるので、もっと体ができてくると面白いと思います。即戦力の評価で入団してきましたが、将来性が楽しみなピッチャー。それに僕の著書を読んでくれていたみたいなので、注目しています(笑)。セ・リーグで楽しみなのは、広島の大瀬良大地ですね。体がしっかりしていて、見栄えのいいピッチャーです。オープン戦を見ましたが、そんなに悪いクセは見当たりません。ただ、左足を上げるときに体のバランスを整えられていない感じを受けるので、コーチ陣にはしっかり育ててほしいと思います。おそらく、投げていくうちにコントロールがよくなっていくタイプだと思うので、どんどん試合に使ってほしいですね」

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