楽天・則本昂大が胸に刻む「田中将大の3つの言葉」

  • スポルティーバ●文 text by Sportiva
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

―― もう少し、田中投手と一緒にプレイしたい気持ちはありましたか。

「それはもちろんありました。もっと近くでプレイして、もっと色んなことを吸収したかったです。でも、メジャー挑戦は田中さんがずっと思い描いていた夢だったと思うので仕方ないですよね。ただ、1年間一緒にプレイできたことは、僕にとって大きな財産になりました」

―― 田中投手と最後に会ったのは?

「今年のキャンプに入る直前ですね。バッテリーで集まって、送別会をしたのが最後です」

―― その時に、田中投手から何か声を掛けられたりしましたか。

「その時はそういう話をしなかったのですが、昨年のオフに田中さんとある受賞式で一緒になって、その時に『僕のあとを継いでくれると思うし、やってもらわないと困る』と。そう言ってくれたことが嬉しくて。結果はもちろんですが、いろんな意味で投手陣、そしてチームを引っ張っていかなければいけないと思いました」

―― 今年、田中投手と入れ替わるように、松井裕樹投手が入団しました。

「さすが5球団から1位指名された投手だなと思いました。ボールのキレ、勢いはもちろんですが、マウンド度胸というか、堂々としていますよね。ただ、オープン戦であそこまで結果を残されると、正直、面白くないですね。チームメイトですけど、先発投手陣のライバルですから。ルーキーには負けたくないですし、負けるわけにはいきません。松井だけじゃなく、美馬(学)さん、塩見(貴洋)さん、辛島(航)、森(雄大)、トラビスとライバルが多いので、投げる試合で結果を出していかないといけない。そういう危機感は持っていますので、誰にも負けない成績を残して、チームから信頼される投手にならなければいけないと思っています」

―― 最後に、今年の具体的な目標を挙げていただけますか。

「200イニング以上を投げることです。昨年は170イニング投げたのですが、もっと考えながら投げて、うまくペース配分できれば、200イニングは可能な数字だと思います。200イニングに到達するには、1回でKOされていたらできませんよね(笑)。とにかく、任された試合は最低でも6回か7回まではマウンドにいる。200イニング以上投げることが、チームにとっても、僕にとっても大事なことなのかなと思っています。そしてもう一度、日本シリーズに出たいですね」

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