3・28開幕戦。巨人・菅野智之と阪神・藤浪晋太郎の投げ合いが見たい! (2ページ目)

  • 阿部珠樹●文 text by Abe Tamaki
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 菅野は1年目よりもずっと仕上がりが早いという。

「彼の特徴は、一見力感のないフォームから力のある球が来ること。そのギャップで打者が差し込まれる。今年はその特徴を生かそうとストレートにさらに磨きをかけていた。3月2日のスワローズ相手のオープン戦でも、ストレートをコースや速さを変えながら試していましたね。ボール球の使い方にも工夫していたし、初登板だけど、かなり実戦に近い内容でした」

 同じく評論家の与田剛氏も、次のように菅野を評価する。

「ピッチングそのものよりも、マウンドでの雰囲気というか、貫禄が出てきました。昨年1年間戦って、確固たる自信というものを掴んだのだと思います。近い将来、菅野は間違いなくジャイアンツを背負って立つ選手。そうした自覚も、彼の中にあるのでしょう」

 一方の藤浪はどうか。

「ブルペンの迫力は一番でした。球速もかなり出ていましたし。僕が見た時は、チェンジアップの精度を上げようと多めに投げ込んでいました。自分のやりたいことがはっきりしていたし、やるんだという意志も見えて頼もしかった」(槙原氏)

 槙原氏の見た藤浪の迫力は、紅白戦、練習試合を通して7イニングで12奪三振という結果に表れている。大きく飛躍する可能性は十分だ。

「実績、安定感からして能見の開幕投手が濃厚だと思いますが、私は藤浪でもいいと思います。開幕投手というのは、1年間、その投手を中心に回すというメッセージが込められています。藤浪はその期待に応えるだけの力を持っています。もし開幕で勝利すれば、チームが一気に勢いに乗る可能性だってある。そこに期待するのも面白いと思います」(与田氏)

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