【プロ野球】今季、最も熾烈なポジション争いはこれだ!

  • スポルティーバ●文 text by Sportiva

 中日では井端弘和の巨人移籍によって空いたショートのポジションをめぐり、若手たちがしのぎを削っている。そんな中、多くの期待を集めているのが2011年のドラフト1位、プロ3年目の高橋周平(20歳)だ。東海大甲府高時代に通算71本塁打を放ち、鳴り物入りでプロに入団するも2年間は主に二軍暮らし。それでも1年目はファームで7本塁打を放ち、本塁打王を獲得。また昨年は、ルナの故障もあって8月1日にプロ初スタメンを果たすと、その試合で逆転満塁本塁打。非凡な才能を見せつけた。今季、背番号が「31」から「9」に変わったことからも、球団の期待の大きさがうかがえる。

 その高橋とショートのポジションを争うのが、2006年ドラフト1位の堂上直倫(25歳)だ。高校時代は強打のスラッガーとして注目されたが、プロ入り後はバッティングに苦しみ、チャンスをつかめずにいた。だが、その一方で磨きをかけたのが守備だ。近年は主に守備固めで出場するなど、堅実な守りは首脳陣も高く評価しているところ。谷繁元信監督が「目指す野球は投手陣を中心とした守りの野球」と語るように、堂上にも十分にチャンスはある。

 このふたりの他にも、2010年ドラフト2位の吉川大機(21歳)や、岩崎恭平(27歳)、新外国人のエルナンデス(32歳)など、ライバルは多い。これまでチームの顔だった井端の後を受け継ぐのは誰なのか、熾烈な戦いは始まったばかりだ。

 そして外野争いが面白いのが日本ハムだ。今季はこれまで不動のレフトだった中田翔がサードにコンバートされ、さらに二刀流に挑戦している大谷翔平も今年は投手での出場を増やすということで、実質レフトとライトのポジションが空いている。この2つのポジションをめぐり、佐藤賢治(25歳)、石川慎吾(20歳)、谷口雄也(21歳)、杉谷拳士(23歳)、村田和哉(28歳)、鵜久森敦志(27歳)、北篤(26歳)といった選手たちが激しいポジション争いを繰り広げている。

成長著しい石川、谷口、俊足巧打の杉谷、村田、長打力のある佐藤、鵜久森、北と、それぞれに持ち味がある。相手投手や好不調の波を見ながら、それぞれをうまく起用していくというやり方も考えられるが、栗山英樹監督は「チーム力を上げるためには、レギュラーは固定すべき」と言い切る。はたして、開幕スタメンに名を連ねるのは......。サバイバルレースはまだ終わりそうにない。

 もちろんこの他にも、井端、片岡治大が加入した巨人の二遊間争い、ベテラン捕手3人が名を連ねる阪神、筒香嘉智、梶谷隆幸の外野コンバートで層の厚みを見せる横浜DeNAなど、見ごたえのあるポジション争いはたくさんある。ひとつのポジションをめぐるドラマも、キャンプならではの楽しみ方である。

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