2014.02.02

楽天・立花球団社長が語る「田中将大なき未来予想図」

  • 中島大輔●構成 text by Nakajima Daisuke

―― 現場やスカウトの意見は?

「現場もスカウトも、自分たちの意見を強くもっていていいんです。やっぱり現場の人は、絶対に『即戦力がいい』と言います。彼らは今年優勝することをミッションにしていますから、その考え方でいいんです。でも、僕らは常勝軍団を作らないといけない。常勝軍団になるチームの基盤が何かというと、コアになる選手を獲り続けないといけないんです。特に、ドラフト1、2位で獲る選手は絶対にそう。そこを譲ってしまうと、5年後、10年後、とんでもない痛みが返ってくるんです。僕も1年契約ですけど、社長がそれを言ったら終わりなので。そういう意味では、そこは絶対に譲らないし、みんなの前でオープンに話すので、うちのスカウトは全員わかっていると思います」

―― 長期的な視点で見た時に、内田選手を捕手として育てるのか、あるいはファーストやサードとして育てるのか楽しみです。

「彼はこれからの選手。現場に任せています」

―― 常総学院の佐々木力監督に、本格的に捕手を始めたのは高校2年の冬だと聞きました。

「そうです。だからサードがいいのか、キャッチャーがいいのかは、これからの判断じゃないですか。彼のバッティングは本当にすごいみたいで、『もう使えるんじゃないか』という話も聞いています。そうなると、サードかファーストで出るかもしれない。でも、嶋(基宏)の次の捕手を育てなければいけないことも事実です」

―― 松井投手にはどんなピッチャーになってほしいですか?

「どこの球団のスカウトも『欲しい』と言ってくれる選手を獲れたのは、大きいと思います。社会人に即戦力と言われるピッチャーがたくさんいる状況で、多くの球団が手を挙げたということは、彼がすごい投手である証拠。球界を代表する投手にならなければいけないし、そう育てるのがウチの使命だと思います。彼を見ていると、負けん気が強いので。『1年目からやってやろう』という気でいると思います。ただ、野球人生は長いので、焦らずにやってほしいですね。そのあたりは星野監督がうまくやってくれると思っています」

―― 星野監督は「開幕投手もなくはない」と言っていましたね。マスコミ向けのコメントなのでしょうが。

「いや、あの人はやりかねないですよ、ホントに(笑)。開幕戦の西武ドームでいきなり、というのはなくはないですね。星野監督は腹をくくって、若い選手をガンガン使います。ドラフト3、4位あたりも、かなりレベルが高いと思いますよ。いいピッチャーを獲ることができました」

―― 3位はHonda鈴鹿の濱矢廣大、4位は有田工業の古川侑利で、ともに投手。一方、野手の補強でいうと、鉄平選手とのトレードでオリックスから後藤光尊選手を獲得しました。これはFAで獲得を狙っていた片岡治大選手(西武→巨人)を獲得できなかったからでしょうか?

「片岡選手と交渉する過程で、『厳しいな』と判断した時点で動き始めました。鉄平はウチではチャンスが少なかったですが、欲しいという球団があった。彼も素晴らしい選手で、ウチにいるより、オリックスに行ったほうが成功すると思います。そういう選手って、結構いるんですね。個人的な意見ですけど、トレードはどんどんやったほうがいいと思います」