谷繁元信が思い描く「選手兼監督ならではの2014年の戦い方」 (3ページ目)

  • キビタキビオ●構成 text by Kibita Kibio
  • 五十嵐和博●写真 photo by Igarashi Kazuhiro

野村 井端(弘和)が抜けることについてはどう思っている?

谷繁 あれだけ経験のある選手が抜けるのは、たしかに痛いです。ただ井端の場合は、この4年間で1シーズンしかフルにやってないんです。昨年も井端の代わりに出場している選手もいるので、そう心配はしていません。

―― 逆にピッチャーについては、若い選手に頑張ってもらいたいところではないですか。

谷繁 そうですね。ピッチャーにかんしては、1チーム30人ちょっといますけど、それがある程度揃わないと厳しいということが、昨年、一昨年でわかりました。ウチでいうと、吉見(一起)が故障でいない時に、その代わりを任せられるピッチャーがいなかった。だから、ピッチャーは何人いてもいい。

野村 昨年は2ケタ勝利を記録したのは、左腕の大野雄大くらいだね。

谷繁 でも、10勝10敗でしょ。貯金を作れるピッチャーがいなかったですから。やはり貯金を作れるピッチャーを作っていかないと、チームは上にいけないです。

野村 力のあるピッチャーはたくさんいるんじゃないの?

谷繁 いますよ。ただ、先発、中継ぎとそれぞれタイプがあるじゃないですか。先発タイプに中継ぎをさせたり、中継ぎタイプなのに先発をやらせてもうまくいかないと思いますので、そのあたりの見極めをちゃんとしないといけないですね。たとえば、岩瀬(仁紀)が先発だったら、今のようになっていなかったかもしれない。よく、中継ぎでダメだったから先発をやらせようとか、その逆もあるじゃないですか。あれって、何ですかね?

野村 中継ぎで結果を残せなかったら先発というのは無理だよ。逆に、先発で結果を出せないピッチャーは、中継ぎでも抑えでも同じ。岩瀬は先発をやっていたとしてもある程度の成績は残したと思うけど、ここまで長い間プレイできていたかはわからない。山本昌さんにしても、抑えをやっていたらここまで続けられていたか……。

谷繁 とっくにいないでしょう(笑)。先発だから続けられたというのはあると思います。だから、その時の対処で配置を替えるというのは違うんじゃないかと思うんです。いずれにしても、適性をこっちがしっかり判断して、配置転換するならこちらで一方的に決めるのではなく、本人とコミュニケーションを取ることが必要だと思います。

野村 山本昌さんくらいまでいっちゃうとあまりにすご過ぎて、例えが良くないかもしれないけどシーラカンスみたいなものだよね(笑)。

谷繁 あの人は特別ですよ(笑)。

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