大谷翔平、新春の誓い「投手で2ケタ、打者で3割はクリアしたい」 (3ページ目)

  • 石田雄太●文 Ishida Yuta
  • 阿部卓功●写真 photo by Abe Takanori

── そんな夏場の疲れと関係があったのかもしれませんが、バッターとして6月終了時点で.348あった打率が、8月の終わりに.301となり、最終的には.238にまで下がってしまいました。その間、バッターとしての大谷選手に何が起こっていたのでしょう。

「何も起こってないと思います」

―― 何も? そんなことはないでしょう。

「すべては技量の問題です。もちろん多少の疲れもあったとは思いますし、振りが鈍くなっていたということもあったかもしれません。でも、それも含めて技術なんです。オールスターまではピッチャーもストライク先行で、ストレートから入ってきてくれたので、打ち易かったのかもしれません。自分の思っていたところに、思い通りに来てくれていたので、そういうところで結果は出ていたのかなと……」

── 後半は相手の配球が変わってきたということ?

「そうですね。最後の方は配球で言えば変化球で入ってきたり、コースで言うならストレートでも内角は見逃す確率が高かったと思うので、内角から入ってくることが増えたり……そういうところが違ってきました。思い通りに来た時にはどんどん振っていいと思いますけど、そうじゃない時に振ってもただ凡退しちゃうだけなので、コースを読んで、ボール球を見極めて、自分の優位なカウントにもっていくことも大事かなと思いました」

── それが2年目の課題ですか。

「そのあたりをもっとしっかりできれば、もっといい成績も残ったと思いますし、相手のピッチャーが考えて投げてくる分、こちらもそれなりの技術を身につけなければならないなと、改めて感じました」

── そのために具体的に身につけなければならない技術は何だとお考えですか。

「それはストレートの高めの見極めと、低めのタテ系の変化の見極めです。とくに高めには力強いまっすぐが来ますし、今の自分は、ストライクゾーンに来たボールを振ることでようやく勝負ができるという感じはあると思うんです。でも、力強い高めのまっすぐは、今までの自分の感覚だとストライクになるはずの高さが、グンと伸びてきてボール球になってしまう。そこでバットを出して空振りしたりファウルになると、自分の中で『今のはボール球だったな』とか『助けちゃったな』という思いが残って、次に迷いが生じてしまう。そういう球を見逃せればチャンスも残りますし、精神的に有利に立てると思うので、そこは大事かなと思います」

── オフに入ってから、『2年目も二刀流やるの?』ってずいぶん訊かれたんじゃないですか。

「いえいえ、あんまり言われませんよ。訊いてくるのは、記者の方くらいです(笑)。記者のみなさんは、そういう言葉を取りたいからなのか、わかっていても訊いてきますね(苦笑)」

── そういう時には何と答えるんですか。

「はい、やりますって」

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