山﨑武司×中村剛也が語る「ホームランアーチストのプライド」 (4ページ目)

  • 石塚隆●文 text by Ishizuka Takashi
  • 阿部卓功●写真 photo by Abe Takanori

山﨑 あと若い選手に言っておきたいのは、もっと子どもたちに夢を与えてほしいということ。もちろんプレイやホームランで子どもたちを喜ばすことも大事だよ。ただ最近、かつては憧れの存在だったプロ野球選手が他のスポーツの影響もあって、そうは思われない時代になってきた。子どもたちに「野球選手はすごいな」「頑張ればこんなご褒美があるんだ」と思ってほしい。だからオレは、野球教室やイベントがあるときは必ずスーパーカーで行くんだ。それを見た子どもは一生忘れないし、絶対に憧れてくれるはず。別に「スーパーカーに乗れ」っていうわけじゃないけど、そうやって印象をつけることも大事だと思う。

中村 なるほど、参考になります。

山﨑 中村ならスーパーカーは買えるだろ。たくさんお金をもらっているんだから(笑)。

中村 いえいえ(笑)。

―― では最後に、山﨑さんには今後の活動、中村選手には2014年シーズンへの抱負を語っていただきたいと思います。

山﨑 27年間の現役生活は長かったかもしれないけど過ぎてみればあっという間でした。今後は外からいろんなチームを見て、自分がどうすればプロ野球界に貢献し、戻ってこられるのかということを考えていきたいですね。ただ引退はしましたが、ここまで普通のオフを過ごしているような感覚なんですよ。だから2月1日にキャンプを見に行って初めて引退を実感するような気がします。いずれにせよ今後も野球には携わっていきたいです。

中村 2013年はほとんど野球をやってないので、すごく野球をやりたいなって気持ちになっているんです。実は、野球はあまり好きじゃなかったんですよ。なぜなら野球は失敗が多いから。ただ昨年ケガをして、自分は野球が好きなんだなって実感したんです。こうした新たな考えが自分の中に生まれたのはプラスになると思うんで、心機一転頑張っていきたいですね。

山﨑 故障明けはオーバーペースになりがちだから気をつけろよ。中村ぐらいの立場なら序盤はセーブしいても首脳陣は理解してくれるだろうから慎重にやって欲しい。2014年は外国人にホームラン王のタイトルを獲らせないように。あと、日本新記録の61本も目指してほしいね。

中村 とにかく今年はいっぱい打ちたいですし、そうすれば数字はついてくると思います。ホント、毎日打ちたいぐらいですよ。

山﨑 毎試合だと144本か! いや、1試合4~5打席あるから300本は行きそうだな(笑)。

中村 ハハハ。とにかく期待していて下さい。

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