2013年プロ野球「記録」と「記憶」の10大ニュース (3ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • 益田佑一●写真 photo by Masuda Yuichi

第6位 宮本慎也、前田智徳ら、相次ぐ偉大な選手たちの引退

 ルーキーたちの活躍が光る一方で、今年も偉大な選手たちがユニフォームを脱いだ。鉄壁の守備と、徹底したチームバッティングで3度の日本一に貢献した宮本慎也(ヤクルト)。アキレス腱断裂という大ケガを乗り越え、通算2119安打を放った“孤高の天才”前田智徳(広島)。史上3人目となるセ・パ両リーグでの本塁打王を獲得した山﨑武司(中日)。2度の沢村賞を獲得し、ダルビッシュ有や田中将大が尊敬の眼差しで見ていた斉藤和巳(ソフトバンク)。“代打の神様”として猛虎ファンから絶大な信頼を集めた桧山進次郎(阪神)。日米通算182勝を挙げた石井一久(西武)。広島時代の2004年に首位打者を獲得した嶋重宣(西武)など……。この他にも、多くのプレイヤーが引退を決意し、第二の人生を歩もうとしている。彼らがプロ野球界に残した足跡は、ファンの記憶の中で生き続けるに違いない。

第7位 中日が落合博満GM、谷繁元信監督の新体制を発表

 中日・高木守道監督の退任が決定的となった9月、中日ファンを対象に「次期監督は誰か」というアンケートを行なった。その結果、立浪和義氏が大多数を占め、一部新聞でも「立浪氏に決定」との文字が躍った。だが10月9日、球団は落合博満氏のゼネラルマネージャー(GM)と、谷繁元信のプレイングマネージャーの就任を発表した。GMに就任した落合氏は早速チーム改革に着手。契約更改では次々と減額制限ギリギリやこれを超す下げ幅を提示。88%ダウン提示を受けた井端弘和はこれに反発して退団したが、他の選手はすべて一発で更改するなど、“オレ流更改”は約8億円のコストカットに成功した。球界に衝撃を与えたこのオフ。果たして、落合GM、谷繁監督の新体制はグラウンドでも衝撃を与えることができるのだろうか。

第8位 山本ジャパン WBC3連覇ならず
 メジャー選手に断られ、初の国内選手だけでWBCに挑んだ山本ジャパンだったが、準決勝でプエルトリコに敗れ、「WBC3連覇」の夢は消えた。プエルトリコ戦で敗因に挙げられたダブルスチールの失敗。試合後、「行けたら行っていい」という“グリーンライト”のサインが出されていたことが明らかになり、選手個人に依存した無責任さに批判が集まった。だが、それよりも前に宮崎での合宿中、一部の選手が女性と密会している写真を撮られたり、選手が休日練習している最中、あるコーチが東京でのイベントに出席したり、グラウンド外のことで話題になったのが何とも残念だった。

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