もうセ・リーグに日本人の本塁打王は現れないのか? (3ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya

 ただ、その村田にしても今年33歳。再び、過去5年間のセ・パ本塁打上位5傑の表を見てもらいたいのだが、セ・リーグに名を連ねている日本人はすべて30歳を超えたベテラン、中堅の選手である。それに対し、パ・リーグは、中田翔24歳、浅村栄斗23歳、T-岡田25歳と、20代の選手が3人もいる。

 では、今のセ・リーグに若くて一発の期待できる選手はいないのだろうか。例えば、DeNAの梶谷隆幸(25歳)は77試合の出場で16本塁打を放った。

「梶谷は突然、才能が開花したよね。あのバッティングを1年間継続できれば、面白い存在になります。それに中日の平田良介(25歳)も30本を打てるポテンシャルはあります。ただ、セ・リーグとパ・リーグを比べると、投球スタイルが大きく違います。パ・リーグは真っすぐ主体の力勝負をしてきますが、セ・リーグは変化球主体。そのため、変化球を当てにいこうとしてスイングが緩んでしまうんです。そこを我慢して自分のスイングができれば、絶対に本数は増えます」

 今季、バレンティンがシーズン最多本塁打記録に挑戦した軌跡は、本当に素晴らしい時間だった。しかし、あの「ホームラン狂騒曲」が「もし日本人だったら……」と、つい考えてしまうことも事実である。ひとりでもいいから外国人選手を脅かすような若き日本人アーチストがセ・リーグに現れることを切に願う。

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