井端弘和、片岡治大をダブル獲得した巨人の真の狙い

  • スポルティーバ●文 text by Sportiva
  • photo by Nikkan sports

 日本一奪回に向けて、巨人が大補強を敢行した。FAで広島から大竹寛(30歳)、片岡治大(30歳)を獲得し、中日を自由契約になった井端弘和(38歳)の入団も決まった。日本シリーズで楽天に敗れ、原辰徳監督が補強ポイントに挙げたのが、右の先発投手とセカンドだった。

「後悔しない選択をしたかった」と、小さい頃からファンだった巨人を選んだ片岡治大。「後悔しない選択をしたかった」と、小さい頃からファンだった巨人を選んだ片岡治大。

 大竹は前田健太とともに広島の投手陣を支え、通算74勝を挙げている。片岡は西武の不動の二塁手として活躍し、第2回WBCの日本代表に選ばれ、世界一に貢献。井端も荒木雅博とともに中日の鉄壁の二遊間コンビを形成し、チームに貢献してきた。いずれもチームの顔として活躍した面々だ。評論家の金村義明氏は次のように語る。

「見事な補強だと思います。大竹は1年間、ローテーションを任せられますし、巨人打線をバックに投げれば勝ち星も計算できる。そして何より大きいのが、片岡を獲ったことです。巨人はセカンドのレギュラー不在の状態でしたからね。原監督も3年ぐらい前から、1年を通して任せられるセカンドが欲しいと言っていました。片岡はここ最近ケガもありましたが、本来の力を発揮できれば原監督の期待に十分応えられるはずです」

 金村氏が言うように、近年の巨人はセカンドを固定できずにいた。2011年に藤村大介がセカンドとして106試合に先発出場したが、レギュラーを獲得するまでには至らなかった。2012年は藤村が63試合、寺内崇幸が54試合、古城茂幸が21試合など、計6人の選手で回した。そして今年も寺内の59試合をはじめ、脇谷亮太29試合、中井大介24試合、藤村16試合、立岡宗一郎13試合、高口隆行2試合、ロペス1試合。昨年同様、100試合以上を任せられる選手は現れなかった。

 ただ、今年は24歳の中井の成長もあり、来季以降の楽しみが増えたことも確か。それでも片岡だけでなく、セカンド経験のある井端を獲得した背景とは何だったのだろうか。

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