1勝1敗も巨人に感じる余裕。田中将大の次の登板はどうなる? (2ページ目)

  • 阿部珠樹●構成 text by Abe Tamaki
  • 益田佑一●写真 photo by Masuda Yuichi

 だから、ジャイアンツ打線が1戦目2点、2戦目1点で終わったのは当然ともいえる。ただ、ジャイアンツの打線は、スイングの鈍い選手はいないし、2試合とも本塁打が出ている。数字ほど不調ではなく、打線に関しては、首脳陣もまったく心配はしていないはずだ。

 一方、ジャイアンツの投手陣だが、ペナントレース中は鉄壁だったリリーフ陣が2戦続けて、得点圏に走者を出していることを心配する声もある。だが、これも不調とはいえない。走者は出しても点は許していないし、登板を経験したことで試合のカンも戻ったはず。先発投手も合格点といえる投球だし、私の見た限りジャイアンツに不安材料はない。

 強いて挙げるとすれば、A・ジョーンズ、C・マギーの両外国人に対して慎重になりすぎていること。2戦を通じてジョーンズ、マギーのふたりに3安打、7四球と10回も出塁を許している。確かにふたりとも一発のある怖い打者だが、ジョーンズの今シーズンの打率は.243だし、三振もリーグワーストの164個を記録している。マギーにしても走者を背負った場面でなければそれほど怖い打者ではない。今後も警戒し過ぎて出塁させることが多くなれば、大量点のきっかけになることも考えられる。大胆な攻めが求められるだろう。

 シリーズ2戦を終えて1勝1敗。イーグルスにしてみれば、二本柱である田中、則本で連勝したかったのが本音だろう。ここで連勝していれば、たとえ東京ドームで3連敗しても中5日で田中を先発させられるからだ。だが1勝1敗になったことで、とにかく第3戦、4戦のどちらかをとらなくてはいけなくなった。もし連敗すれば、一気に王手をかけられてしまう。そうなった時に田中を中3日で先発させるのか。

 逆にジャイアンツは、Kスタ宮城でひとつ勝てれば十分とみていたはず。タイの成績で本拠地に戻れるのは上々の結果だったに違いない。

 いずれにしても、次に田中が登板するのがどんな状況かがポイントになるだろう。とにかく東京ドームでの最初の2戦は重要な戦いになる。

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