2013.10.20

カープ、広島に還れず。CSは本当にこれでいいのか?

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya

 東京ドームで巨人に連敗し、あとがなくなった広島の野村監督は試合後、「王手をかけられたが、ひとつのきっかけがあれば変わると思う」と語った。しかし、同一球場で最大6試合を行なう現行のルールでは、「シリーズの流れ」を変えることは容易ではない。もしこれが、第3戦・第4戦をマツダスタジアムで行なっていたらどうなっていただろうか。野村監督が言う「ひとつのきっかけ」になっていた可能性は十分にある。

 もちろん、シーズン上位のチームが少しでも有利になるようにする気持ちもわからないわけではない。それに、もし広島が巨人に勝って日本シリーズに進出したら「勝率5割を切ったチームが出てもいいのか」という声が出るだろう。しかし、CSというものがある以上、もっと平等にすることはできないものか。何より、今のルールはファンの気持ちを置き去りにしているように思えてならない。

 ファーストステージの3試合制だってそうだ。ある阪神ファンの男性は「2敗したら終わりというのは、あまりにも寂しい。ポストシーズンという感じがしない」と言った。

 メジャーリーグの伝説の名将、スパーキー・アンダーソンも、かつてメジャーのポストシーズンについて話を聞いた時、「地区シリーズも5試合制ではなく、7試合制にすべき」と熱く語った。ボールがイレギュラーしたり、ちょっとしたことで流れが変わりやすいポストシーズンは、運が左右することも少なくない。そのため5試合では本当の実力がわかりずらい。だが、7試合にすれば強いチームが勝つ可能性も高くなり、シーズンの流れも生まれるというのだ。

 7試合制は厳しいとしても、3試合制から5試合制にすることならできるのではないだろうか。もし今回のファーストステージが5試合制で5戦目までもつれたとすれば、前田健太と藤浪晋太郎のリマッチという物語が生まれたかもしれない。とにかく今のルールは、そうした野球の醍醐味やドラマ性を奪っているように思えてならない。