投打の役者揃う。強い西武がポストシーズンの大本命!?

  • 中島大輔●文 text by Nakajima Daisuke
  • 甲斐啓二郎●写真 photo by Kai Keijiro

 ふたりの復帰は、若手選手にとっても大きかった。中村が復帰して以降も4番を任される23歳の浅村は、「今まで以上にプレッシャーを感じましたが、同時にやりがいも感じています」と意気込み、打点王をほぼ確定させている。5番に入る25歳の秋山翔吾は後ろに中村が控えることで、楽な気持ちで打席に立てるという。

 上り調子なのは投手陣も同じだ。開幕から不振が続いていた涌井秀章は、9月25日の楽天戦から10月6日の日本ハム戦まで10試合連続登板を果たし、稲尾和久氏の持つ球団記録を更新した。ストレートの球威を取り戻し、この間、自責点はゼロ。また、キレのあるストレートを武器にする新人左腕の髙橋朋己は9月18日の日本ハム戦から10月3日のソフトバンク戦まで23人の打者と対戦し、ふたつの四球を与えたものの、ヒットは1本も許していない。渡辺監督が「『やってくれるだろう』という思いで登板させて、結果で応えてくれている」と語るほどの信頼を獲得している。

 投打ともにキーマンが戻り、シーズン終盤に怒濤の勢いを見せた西武。CSで対戦するロッテ、楽天には、今季いずれも勝ち越し。相性の良さもポストシーズンに向けたプラス材料だ。渡辺監督は言う。

「中村とヤス(片岡)が帰ってきて、メンバーが揃った。終盤の戦いを見ていると、本当にぶっとく、ぶっとく、骨太のチームになってきた。敗者のまま終わるつもりはない」

 CS突破はもちろん、渡辺監督が就任した2008年以来の日本一も現実味を帯びてきた。

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