阪神がCSで勝つなら、メッセンジャーに打線の援護を!

  • スポルティーバ●文 text by Sportiva
  • 益田佑一●写真 photo by Masuda Yuichi

 ようやく9月の初勝利は23日のヤクルト戦(甲子園)。幸先よく3回に2点を先制した阪神打線だが、その後は沈黙。しかし、この日のメッセンジャーは2点で十分。結局、9回116球を投げ抜き、ヤクルト打線に三塁を踏ませない圧巻の完封劇で12勝目を挙げた。「自分の仕事を続けていればいつか勝てる日が来ると思っていました」とメッセンジャー。

 9月最後の登板は29日の中日戦(ナゴヤドーム)。この試合も粘りのピッチングを見せ、7回を終わり2-2の同点。しかし、8回裏に3四球を与えて二死満塁のピンチを背負うと、代打・大島洋平にタイムリー内野安打を打たれ万事休す。今季8敗目を喫した。

 結局、9月の成績は5試合に登板し1勝1敗、防御率1.15。これだけの成績を残しながら1勝しか挙げられなかったのは、得点援護率(※)1.54の低さにある。ちなみに、セ・リーグ最多勝の小川の9月の得点援護率は7.20。9月に3勝1セーブを挙げ、チームの初優勝に貢献した田中将大(楽天)の得点援護率は5.76。これを見れば、いかにメッセンジャーが打線の援護に恵まれていなかったのかがわかる。大量援護でなくても、せめてあと2~3点取れていれば......メッセンジャーに勝ちがつき、チームも勢いに乗れたに違いない。ちなみに、10月に入ってからは4日のヤクルト戦(神宮)に一度だけ登板しているが、この試合も7回2失点ながら勝ち星はつかなかった。

※得点援護率とは、投手が9イニングを投げたとして、味方が何点取ってくれるかという数値。

 10月12日からは、広島とのCS第1ステージが始まる。チーム最多勝のメッセンジャーは、1戦目か2戦目の先発が予定されている。負けが許されないCSの戦いにおいて、抜群の安定感を見せるメッセンジャーのピッチングは阪神の大きな武器であるのは間違いない。ここで弾みをつけて、第2ステージで待ち構える巨人に挑みたいところだ。なにより、勝率5割に満たなかった広島に負けるわけにはいかない。そのためにも、打線の援護は必要不可欠だ。

中4日でいってくれと言われれば応え、リリーフ陣が不安なら何球投げようとも終盤まで投げる。これまで献身的なピッチングでチームを支えてきたメッセンジャーに、今度こそ恩返しをする番だ。もうこれ以上、メッセンジャーを見殺しにしてはならない。

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