バレンティン、ラミレス、ペタジーニ...。なぜヤクルトの外国人は活躍するのか? (3ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya

「あと考えられるのが、室内練習場の存在かな。神宮球場は大学野球が使ったりするので、本球場で練習ができるのは夏場の1カ月もない。ほとんどこの室内で練習することになるんだけど、他のチームの人間からは『あんな室内で練習して、よく成績を残せるもんだ』って言われているけどね(笑)。実は、打者には利点が多いんだよ」

 ヤクルトの室内練習場はネットが張り巡らされ、大きさは内野のフィールドほどしかない。

「外で打撃練習をすると、スタンドに入っていく打球を目で追ってしまうんだよね。そうなるとヘッドアップして。バッティングでいちばん悪い部分が顔を出してしまう。その点、室内だと天井が低いから、打球を追うことはない。それとインサイドアウトを意識させるのにも適している。外でティー打撃をする時は、真ん中に穴のあいたネットを使うでしょ。そうなると穴へボールを入れる意識が働いて、内と外への打ち分けができなくなってしまう。ここなら全面がネットなんで、穴を気にせんでもいいからね」

 この室内練習場もヤクルトの長きにわたる伝統だ。

「こういう練習場はアメリカじゃ考えられないでしょ。ホーナーも、ハウエルもぺタジーニもラミレスもバレンティンも、ここで練習してから試合に臨んでた。ハウエルは最初、外で練習してたんだけど、室内でやろうやって連れてってさ。そのうちに『イセサン、オネガイシマス』って。アイツにはよく働かされたよ」

―― 他の球団で結果を残せなかった選手が、もしヤクルトに入団していたらどうなっていたと思いますか?

「ヤクルトに来とったら成功した選手は多いと思うよね」

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