楽天5連敗も、ファンが監督より落ち着いている理由とは? (2ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • 荒川祐史●写真 photo by Arakawa Yuji

 確かに1年目は悲惨だった。38勝97敗で首位とはなんと51.5ゲーム差。

―― でも、(8月21日の試合前まで)2位のロッテとは3.5ゲーム差。ヒタヒタと足音が聞こえて、毎晩、震えているんじゃないですか。

「大丈夫! 今日も明日も勝って、金曜からのロッテ戦ではマー君(田中将大)で勝つ。ここまできたら優勝してほしいなぁ。最初は最低でも2位って思ってたけど、欲が出てきちゃった(笑)。あと2ヤマ3ヤマありそうだけど、大通りでの優勝パレードが見たいね。それが夢だなぁ」

 横山さん(43)は奥さんと娘さんの万葉ちゃん(小学生)を連れて、3人お揃いの楽天のユニフォームで球場へやって来た。

「妻は楽天が来るまでは野球が嫌いだったんですよ。野球中継があると時代劇が中止になるんで......。それが初めて球場へ行ってみると、横に座った兄ちゃんの声援が楽しくて、娘と一緒にハマってしまったみたいです」

―― 家族を野球に導いてくれた楽天の優勝が見えてきました。

「正直、優勝経験がないんでわからないんです。ずっと、いつ負け始めるのかなって不安は大きいですよ。今こうやって負け始めると、なんであの中継ぎピッチャーたちを出すのかなって思いますし。大差で勝っていてもアヤシイ人たちなのに。これも優勝へのプレッシャーなんですかね」

「楽天の試合は、マー君以外は安心して見てられないんですよ。試合が終わって、やっと勝てたと実感することが多い(笑)」(奥さん)

―― 球場の雰囲気は例年と比較してどうですか。誰もが楽しそうにみえます。

「人は増えていますね。震災があって、今も景気はかなり悪いんですが......。特にお年寄りの方が多いことに驚かされます」

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