楽天5連敗も、ファンが監督より落ち着いている理由とは?

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • 荒川祐史●写真 photo by Arakawa Yuji

 8月21日、Kスタ宮城球場の周辺には500人以上のファンが溢れていた。首位を快走中の東北楽天ゴールデンイーグルスが本拠地に日本ハムを迎えた試合はまだ序盤。球場は満員であったが当日券は絶賛発売中。なのに球場に入らず、にぎやかに立ち並ぶ屋台で飲食しながらテレビ観戦。子どもたちは各種アトラクションで大はしゃぎ。楽天創設時からのファンの秋葉玲子さんは、部外者には理解が難しいこの状況について、「お祭りの感覚でKスタに遊びに来るんですよ。今夜は花火もあがりますしね」と説明してくれたのだった。

「やさしすぎる!?」楽天ファン。星野監督からは「オレには理解できない!」と怒られたこともあったが......「やさしすぎる!?」楽天ファン。星野監督からは「オレには理解できない!」と怒られたこともあったが......

 坂本さん(65)ご夫妻は、午後の早くから缶チューハイと枝豆をつまみながら開門までの時間を過ごしていた。

「この前(西武に2試合連続サヨナラ負けのとき)はまいったよ。"逆転イーグルス"が逆転されるイーグルスになっちゃったんだから。テレビを見ながら思わずテーブルをひっくり返したよ(笑)。カーッとなっちゃってさ」

 昭和の巨人ファンのお父さんを彷彿とさせるが、その表情はすこぶるゴキゲンだ。

「楽天が東北に来てからは、球場にいるか、スカパー!を見てるか。とにかく全試合を追いかけてますよ。以前は巨人ファンでしたが、ヨミウリをとるのもやめた(笑)。だって楽天の記事が少ねーんだもん」

 奥様も笑顔が絶えない。

「東北に来た1年目はね、球場で勝つ試合を見るのは10回に1回? もう宝くじに当たるようなもんだったんだから(笑)。このまま優勝したら驚異的よね。創設9年目でしょ。広島なんて21年も優勝してないじゃないの」

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