喜び、不安、戸惑い......ベイスターズファンの熱く長い夏 (3ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • photo by Nikkan sports

―― ところで雄大君は、本当は巨人ファンなんじゃないの? お父さんが怖いからベイスターズを応援しているだけで。

「そんなことないよ。友達は巨人ファンが多いけど……。まあ、ボクも友達の気持ちはわかるけど……」

 前出のカッシーさんとMさんもCSに向けては悲観的だ。

「今のままじゃCSは無理。せっかくビジターでは互角の戦いができているのに、ハマスタで勝てないんだから。中日やヤクルトはCSの経験があるけど、うちにはないですし……」(Mさん)

「ピッチャー、特にうしろが不安です。打線は活発で見ていて楽しいんです。5点取られても少なくとも3点は追いつける。ただ、それ以上に打たれる方たちがいらっしゃる。中継ぎが先頭打者を歩かせて、次の打者にホームランを打たれるという場面を何回みてきたことか。ヘンな采配も多くて、負けているチームだからなのか、目先の勝ちに焦って失敗する。とにかく断トツの最下位で終わらなければそれでいいです」(カッシーさん)

 とにかく不安ばかりを口にするが、その表情は実に楽しげだ。

「10対0で負けていて、9回二死まで追い込まれても勝利を信じて応援するのがベイスターズのファンなんです。これだけはわかってもらいたいですね。チームがどうしょうもなく弱い時でも、その気もちはずっと変わってないんです」(Mさん)

「こんなに一生懸命応援するのっていつ以来かな。こんなに1勝が嬉しいことって久しぶり。とにかく最後まで3位争いをしてほしいです。経済的にも厳しくなってくるし、体力にも自信はないけど、とにかく最後まで応援し続けますよ」(47歳・会社員)

 今、ベイスターズファンはシーズンを通して応援する体力を問われている。果たして、選手とともに暑い夏を乗り切ることができるのか。そして、充実の秋を迎えられることを切に願うばかりである。

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