9連敗しても3位と3ゲーム差。横浜DeNAのCS進出は大いに可能性あり (3ページ目)

  • 津金一郎●文 text by Tsugane Ichiro
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 また、ベイスターズOBである高橋雅裕氏も「ピッチャーがどこまで失点を減らすことができるか」と言いながらも、残り試合のポイントとして挙げたのが捕手のリードだった。

「ベイスターズは鶴岡(一成)がマスクを被ることが多いのですが、例えば、先日の巨人戦でもホームラン警戒の阿部(慎之助)に対して、簡単にストライクを取りにいって打たれている。絶対に打たれてはいけない場面ですから、もっと細心の注意を払うべきだと思うんです。よく見ていると、もったいない失点が非常に多い。投手力が弱いことはわかっていますが、リード次第で1点や2点は防げると思います。そうなれば、勝てる試合は確実に増えます」

 一方の打線はどうか。石川雄洋、梶谷隆幸の1、2番コンビが確立され、さらに得点力は増した。しかし、「打線は水もの」と言われるように、このままシーズン終盤まで好調を維持できるとは限らない。

「確かに、石川、梶谷にしても今の状態のまま最後まで行くとは思えません。でも、今年のDeNAは打つだけじゃなく足を絡めて得点することができる。ブランコの調子があまりよくなくても得点できているのは、それがあるからなんです。だから、打線の調子が落ちたとしても得点力が激減するとは思えません。カギはディフェンス力です」(高橋氏)

 8月に限っていえば、10敗のうち1点差負けが4試合、2点差負けが2試合ある。野村氏は「あと1~2点を抑えていれば……という試合がほとんど」と言い、こう続けた。

「弱点がはっきりしていますから、逆に戦いやすいと思いますよ。別に0点に抑えろと言っているわけではないんですから」

 リーグワーストの失点、防御率の投手陣を立て直すことは決して容易なことではない。それでもこの難題をクリアできればDeNA初のCS進出は現実味を帯びることになる。

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