9連敗しても3位と3ゲーム差。横浜DeNAのCS進出は大いに可能性あり (2ページ目)

  • 津金一郎●文 text by Tsugane Ichiro
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 例年なら、勝率5割前後の成績を残せば、大体3位になる可能性が高い。しかし、今年のように上位2球団が走り、下位4球団が団子状態で争うとなると状況は変わってくる。2009年は巨人が89勝46敗9分(勝率.659)で独走し、2位の中日が81勝62敗1分(勝率.566)で追いかけた。そして、3位は横浜(当時)を除いた3球団の争いとなり、ヤクルトが71勝72敗1分と5割を切りながらCSの出場権を手にした。そして今シーズンは、3位争いのデッドラインは2009年よりも下がる可能性が高い。そのため残り40試合を5割で戦うことができれば、十分にチャンスがある計算になる。

 では、残り40試合を5割でいくにはどのような戦いをすればいいのか。評論家の工藤公康氏はこう語る。

「リーグでいちばん失点が多いけど、得点もいちばん多い。要は投手なんです。DeNAは中継ぎ、抑えが入れ替わり立ち替わりみたいなところがあって、今のところ『コイツが出てきたら嫌だな』と相手に思わせる投手がいない。例えば、山口俊、ソーサで勝ちパターンを作ることができれば、どこよりも上にあがる可能性が高い。何しろ得点力はリーグ1位なんですから」

 同じく「投手次第」と語るのは、かつて横浜で投手コーチを務めた経験のある野村弘樹氏だ。

「中継ぎ以降が弱いのもありますが、要は先発がどこまで投げられるかだと思います。オールスター明けの好調時は、先発が少なくても6回以上は投げていました。打線はある程度得点してくれますので、先発が試合を作ってくれさえすれば勝利の確率はグッと高くなると思いますよ。ただ、その先発も人材不足。三浦大輔、藤井秀悟のあとにもうひとりでも出てきてくれれば、劇的に変わってくると思います」

 そう言って、期待する選手として挙げたのが国吉佑樹だった。

「8月11日の試合に中継ぎで登板して今季初勝利を挙げましたが、持っている素材からすれば、エース級の働きをしてくれないといけない存在。まだ本調子とは言えませんが、徐々に状態は良くなっている。完投能力もありますし、先発として計算できればDeNAはもっと楽な戦いができるはずです」

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