それでも4位は選手のおかげ!? 高木監督「ビックリ語録」 (2ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • 荒川祐史●写真 photo by Arakawa Yuji

 5月8日の試合では4連敗を止め、チーム12年ぶりの借金2ケタを回避すると、「よう追いついて追い越した。これで30連勝の始まりや!」と無邪気に喜んだと思えば、6月3日には翌日の先発が田中将大(楽天)だと知ると、「誰でもいいや。希望が持てません」と、指揮官によるまさかの白旗宣言。

 とにかく質問されたら答える。これぞ高木流だ。しかも、そこに建前やかけ引きは存在しない。

 5月28日のロッテ戦では、ランナーなしの場面でカブレラ(投手)がバント。「ベンチのサイン? そうや! 打っても当たらへんのやからバントを練習しとけということ」と、助っ人のプライドお構いなく、観衆の前で公開バント練習させたことをあっさり白状。

 また6月9日の試合で谷繁元信が途中交代すると、「体が動いとらんわ。ああいう状態で出とっても意味がないわ」と、チームを支えてきたベテランもバッサリ。

 8月6日にはヤクルトに敗れ連勝が4でストップすると、「大島(洋平)にはキツイ言い方だが、チャンスで打てるようにならんと、この程度で終わるよ。打点がついてこないんだもん」と、将来のチームリーダー候補にも容赦なし。
 
 そして中継ぎで不調が続いていた田島慎二について聞かれると、「うしろで悪いんやったらアタマや!」とコペルニクス的転回論をぶち上げた。

 ただ、勝利への執念はただならぬものがある。7月25日の試合では延長10回に捕手の松井雅人を代走で起用。「コーチは『人(捕手)がいなくなる』って止めたが、『おるやないか!』と。ポジションに関係なく選手がいればそれでいい」と、堂々のセオリー無視。

 要は、勝ち方はなんてどうでもよく、とにかく勝ちたい人なのだ。だからこそ、勝った時は口も滑らかになり、チームが3位に浮上した時は、開口一番「嬉しい!」と語り、8月3日のDeNA戦に勝利して4連勝すれば、「私が目標にしているのは30連勝だで(笑)」と、今季2度目の30連勝宣言まで出てしまうのだ(たぶん)。

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