まさに夢の球宴。今年は「因縁対決」がいっぱい! (3ページ目)

  • 中島大輔●文 text by Nakajima Daisuke
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 最後は少し趣向を変えて、実力者同士の戦いに目を向けたい。3度目の出場になる前田健太(広島)と、メジャーリーグのオールスターに5度の出場歴を誇るアンドリュー・ジョーンズ(楽天)の「WBC対決」だ。

 ふたりは今年行なわれたWBC第2ラウンドで対戦し、日本はオランダを破ってアメリカラウンド進出を決めた。この一戦で前田はジョーンズを2打数2三振に打ち取っている。ちなみに、5月26日に交流戦で再戦を果たしたが、その時はジョーンズの3打数1安打だった。

 気になるのはオールスターでの対戦が実現した場合、前田が何を投げるかだ。パ・リーグ4位タイの17本塁打とパワーを見せつけているジョーンズだが、外角へ逃げるスライダーに弱点がある。数種類のスライダーを武器にする前田が、ジョーンズの弱点を攻めて空振りを奪いにいくのか。それとも力勝負を挑むのか。あえてストレートのサインに首を振り、得意のスライダーを投げるというシーンを見てみたい気もするが......。

 以上のように勝手に対決を妄想してみたが、「夢」と言われる球宴の醍醐味は、それぞれのファンがどんなストーリーに思いを馳せるかだ。様々な因縁が潜む今年のオールスターは、例年以上に楽しめそうだ。

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