プロ野球前半戦総括。40オーバーの男たちが見せた「大ベテラン力」 (3ページ目)

  • スポルティーバ●文 text by Sportiva
  • photo by Nikkan sports

 最後にもうひとり忘れてはならないのが、小笠原道大(巨人)だ。かつては首位打者2回、本塁打王1回、打点王1回を獲得するなど球界を代表する強打者のひとりだったが、近年は成績が急降下。昨年はわずか34試合の出場にとどまり、打率.152、本塁打はルーキーイヤーの1997年以来となる0本に終わった。契約更改ではNPB史上最大の減額となる3億6000万円ダウンの7000万円(推定)でサイン。

 背水の陣で臨んだ今シーズンだったが、キャンプ中のケガで出遅れ、プロ17年目で初の開幕二軍スタート。「もうダメなのか……」、ファンの間でもそんな声が飛び交っていたが、5月18日に一軍昇格を果たすと、6月5日の日本ハム戦では代打サヨナラ本塁打を放ち、劇的な復活を遂げた。現在は再び二軍で調整を続けているが、原辰徳監督は「ガッツ(小笠原)の精神力、野球に対する姿勢は我がチームの財産。必ず頼る時が来る」と断言する。その時、また豪快なフルスイングが見られるのか、楽しみにしたい。

 ルーキーたちのスピード感溢れるプレイもいいが、ベテランたちによる熟練の技に酔うのも悪くない。前半戦、間違いなく彼らの活躍は輝いていた。

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