プロ野球前半戦総括。40オーバーの男たちが見せた「大ベテラン力」 (2ページ目)

  • スポルティーバ●文 text by Sportiva
  • photo by Nikkan sports

 中村のチームメイトで、同じく今年40歳になる三浦大輔もDeNA投手陣を引っ張っている。開幕2戦目(中日戦)に今季初登板を果たすと、7回を2失点に抑え勝利投手に。6月12日のロッテ戦では4安打完封勝利を収め、チームの連敗を5で止めた。

「若い選手に出てきて欲しいという気持ちもあるが、まだ負けているとは思っていない」と語る三浦。もちろん、目指すはCS進出だ。

 そのDeNAと3位争いを演じている中日も、ベテランたちの活躍が目立つ。現在、40歳を超えるプレイヤーは、山本昌(47歳)、山崎武司(44歳)、谷繁元信(42歳)、和田一浩(41歳)の4人。

 球界最年長の山本昌は、今季も見事なピッチングで健在をアピール。投げるたびに、セ・リーグ先発最年長記録を更新する山本昌だが、今季初先発となった4月9日のヤクルト戦6回を1安打無失点に抑え、「あそこまで投げるとは......」と高木守道監督を驚愕させた。また、7月13日の巨人戦では6回途中までを5安打無失点に抑える好投を見せ、今季4勝目。自身が6月にマークした最年長勝利記録を1カ月更新し、47歳11カ月の新記録を達成した。

 その山本昌の球を受けるのが谷繁だ。DeNAの中村が2000本安打を達成した翌日の5月6日、谷繁も史上44人目の大記録を達成した。プロ25年目、42歳での到達は史上最年長記録となった。
 
「打ったんだなという気持ちと、チームが負けたから、そっちの方が悔しい気持ちもある。(打った瞬間は)何か感じるかと思ったけど、いつもと一緒だった」

 自身の記録よりもチームの勝利を最優先する、谷繁らしい言葉だった。しかし、チームは勢いに乗れず、前半戦は何とか3位に食い込んだものの借金は9。2位の阪神に11ゲーム差をつけられた。「キャッチャーとして責任を感じる。このままでは終われない。何とか意地を見せたい」と語る谷繁。12年連続Aクラス入りはもちろん、その先も視野に入れている。

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