名球会ブームも、もう200勝投手は現れない?

  • 阿部珠樹●文 photo by Abe Tamaki
  • 荒川祐史●写真 photo by Yuji Arakawa

2008年に山本昌が達成して以来、200勝投手は現れていない2008年に山本昌が達成して以来、200勝投手は現れていない 昨シーズンは3人が到達し、今シーズンもアレックス・ラミレス、中村紀洋(ともに横浜DeNA)、谷繁元信(中日)の3選手が達成した2000本安打。打者の勲章といわれるこの記録は、毎年のように達成者が出ていて、この先も候補者は少なくない。例えば、日米通算ながら井口資仁(ロッテ)は残り63本に迫り、谷佳知(巨人)も100本を切っている。さらに福浦和也(マリーンズ)、和田一浩、井端弘和(ともに中日)も残り300本を切り、早ければ来年にも達成されるかもしれない。

 それに対して、投手の勲章といわれる200勝は2008年にドラゴンズの山本昌が達成して以降、現れていない。現在、200勝に近いのは以下の投手になる。

西口文也(西武/40歳)...182勝
※石井一久(西武/39歳)...182勝
※黒田博樹(ヤンキース/38歳)...164勝
三浦大輔(横浜DeNA/39歳)...154勝
杉内俊哉(巨人/32歳)...118勝
石川雅規(ヤクルト/33歳)...117勝
※上原浩治(レッドソックス/38歳)...117勝

 現在、数字的に見れば、最も近いのが残り18勝のライオンズの西口と石井だが、ローテーションどころか一軍メンバーからも外れている現状ではなかなか簡単ではない。

 また、コンスタントに結果を残す投手が減っていて、勝ち星を積み重ねることがいかに困難かがわかる。現役投手の中で、5年連続2ケタ勝利を挙げたのは、西口文也(西武/96~00年)、石川雅規(ヤクルト/02~06年)、井川慶(現オリックス/02~06年)、和田毅(現オリオールズ/03~07年)、ダルビッシュ有(現レンジャーズ/06~13年)、涌井秀章(西武/06~10年)、吉見一起(中日/08~12年)、館山昌平(ヤクルト/08~12年)の8人だけ。その中で、3年連続15勝以上マークしたのはダルビッシュただひとりしかいない。

 では、200勝投手が減っている理由はどこにあるのか。昨年までファイターズの投手コーチだった吉井理人氏に聞いてみた。

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