首位を走る西武。なぜ次々と若手が台頭してくるのか?

  • 中島大輔●文 text by Nakajima Daisuke
  • 小内慎司●写真 photo by Kouchi Shinji

激しい競争を勝ち抜き、開幕スタメンを果たしたルーキーの金子侑司激しい競争を勝ち抜き、開幕スタメンを果たしたルーキーの金子侑司「チームは今年、変わらないといけない」

 埼玉西武ライオンズの渡辺久信監督は就任6年目の今季、これまでとは異なる意識でペナントレースに臨んでいる。

 グラウンドに立つ選手たちも同じだ。キャプテンの栗山巧が言う。

「今年は中島(裕之)さん、おかわり(中村剛也)がいません。代わりに、金子(侑司)など新戦力が入ってきました。それが明らかに去年までと違うところですね」

 3番・ショートとしてチームを牽引してきた中島がオークランド・アスレチックスに移籍し、昨年10月に左膝の手術を受けた中村が戦線離脱中の今季、「つなぎの野球」を掲げる西武は21勝12敗で首位を走っている(5月7日時点)。大きな不安要素を跳ね返し、なぜ貯金を重ねることができているのか。栗山はこう説明する。

「オープン戦の頃から金子、永江(恭平)らがいい競争をして、チームに勢いをつけてくれました。マイナスの要素をプラスに変えてくれたのが、すごく大きかった」

 新生ライオンズ打線を引っ張っているのが、大卒3年目の秋山翔吾(センター)、高卒5年目の浅村栄斗(ファースト)、立命館大学からドラフト3位で入団した金子だ。打ってはスイッチヒッターとしてリーグ13位タイの打率2割9分5厘、守ってはショートもライトもこなす金子は、好調の理由をこう語る。

「チームには伸び伸びできる雰囲気があります。思い切りよくやらないと、自分のプレイはできませんから」

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