【プロ野球】巨人の独走を止めろ!各球団が巨人戦5割を死守する方法 (3ページ目)

  • スポルティーバ●文 text by Sportiva
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yishihiro

「とにかく打線が点を取ってくれれば、投手は楽な投球ができる。それは非常に大きい。1点も与えられないのと、2点までは大丈夫とでは全然違いますから。先日の試合では投手陣が打ち込まれてしまいましたが、三浦を軸に、投手陣は整備されつつあります。そういった意味で横浜には注目ですよ」

 また、得点力アップを期待できるのは阪神も同じだ。再び、矢野氏が言う。

「先日の甲子園では理想的な勝ち方をした阪神ですが、問題は東京ドームでどう戦うかです。昨年、阪神は東京ドームで1勝9敗2分と散々な結果に終わってしまった。理由は、あまりにも打てなさすぎたことに尽きます。打順も固定できなかったし、ベテランで戦うのか、若手に切り替えるのか、チームとしても迷いがあったと思うんです。特に東京ドームの試合は打ち合いになることが多い。だから、打線が点を取らないと厳しい。それが今年は開幕からある程度、打線は固定できているし、得点の形はできている。まずは今年最初の東京ドーム(4月16~18日)で結果を残せれば、昨年のようなことにはならないと断言できます」

 広島に関して言えば、もっと簡単な話である。球界のエースに成長した前田健太を、臆せず巨人戦にぶつければいいのだ。実際に前田は、今季初登板となった巨人戦で8回まで1失点と好投した。試合は延長で敗れてしまったが、このような試合を続けていけば、昨年のように大きく負け越すことはない。

 いずれにしてもシーズンはまだ始まったばかり。昨年、巨人に大きな貯金を献上した下位3球団の巻き返しは十分期待できる。あとは昨年、互角の戦いを演じていた中日、ヤクルトが今年も巨人を苦しめられるかどうかだ。山田氏は最後にこう答えた。

「今年と同じように、中日は昨年も巨人戦は3連敗スタートでした。それでも最終的に互角の戦いをした。中日は谷繁(元信)の存在が大きい。今も巨人の研究をしていると思いますよ。ヤクルトもケガ人の多さが心配だけど、巨人戦になるといつも以上の力を発揮する。投手陣もしっかり試合を作るし、打者も思い切りがいい。巨人相手にひるんでいない。確かに今年も巨人は強いけど、自分たちの野球をすれば、いい勝負ができますよ」

 とにかくセ・リーグの灯を早々に消すわけにはいかない。シーズンの序盤から巨人との戦いに背を向け、3位以内を狙うようなペナントレースにだけはしてほしくないのだ。

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