【WBC】不安な先発投手陣を史上最強打線が援護する韓国の実力 (2ページ目)

  • 慎武宏●取材・構成 text by Shin Mukoeng
  • photo by Masuda Yuichi

宋在祐(ソン・ジェウ)/1966年8月3日生まれ。一般紙ロサンゼルス支局を経て、1998年からメジャーリーグ中継解説者に転身。全国ネット局MBCのメジャーリーグ解説者として名を轟かせ、現在は、メジャーリーグ解説はもちろん、ESPN(韓国プロ野球中継)、OBS(オリックス戦中継)の解説者として人気。ラジオ番組、新聞連載なども多数。韓国でもっとも有名な野球解説者のひとりとされている。宋在祐(ソン・ジェウ)/1966年8月3日生まれ。一般紙ロサンゼルス支局を経て、1998年からメジャーリーグ中継解説者に転身。全国ネット局MBCのメジャーリーグ解説者として名を轟かせ、現在は、メジャーリーグ解説はもちろん、ESPN(韓国プロ野球中継)、OBS(オリックス戦中継)の解説者として人気。ラジオ番組、新聞連載なども多数。韓国でもっとも有名な野球解説者のひとりとされている。―― 柳仲逸監督はどんな指揮官なのですか?

「第1回、第2回大会では韓国代表コーチを務めており、三星ライオンズで韓国シリーズ2連覇を果たした監督です。強烈なカリスマ性でチームを引っ張るタイプではなく、『今日は球が走っているな。今日のボールなら誰にも打たれないぞ』『調子がいいな。ずっとそうであってくれ』など、選手に自信を与えその能力を引き出すタイプですね。何よりも継投が非常にうまい。6回からリリーフ陣を次々と投入して、最後は守護神・呉昇桓(オ・スンファン)が仕上げる。これが三星の勝ちパターンで、三星はブルペンの強さを武器に、韓国シリーズ連覇を達成しました。その結果が評価されて、柳監督は今回のWBC代表監督を任されましたが、国内では『三星に5回の時点で負けていると、逆転することはできない』とまで言われているほど継投がうまく、そのノウハウを知り尽くしています」
 
―― なるほど。では、そんな韓国投手陣のカギを握るのは誰でしょうか?

「先発では、本格派右腕の尹錫珉(ユン・ソクミン)が事実上のエースですね。そして昨季17勝を上げて最多勝投手となった左の張洹三(チャン・ウォンサム)。彼はスピードやパワーに優れたダイナミックなタイプではありませんが、打者との心理戦や配球の組み立てが非常にうまい。チェンジアップなど変化球も多彩です。彼のコンディションが上がってくると、韓国の大きな戦力になります。ポイントとなるリリーフ陣では、昨年65試合登板して防御率1.32の結果を残した朴熙洙(パク・フィス)に多くの期待が集まっています。国内の左腕セットアッパーとしてはナンバーワンと言っていいでしょう。球速は平均147~148キロ台で球威もあるし、カーブなどの変化球にも定評があります。問題は、WBC初出場ということ。初出場ゆえの緊張や重圧をクリアできれば、対戦相手の脅威となるでしょう」

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