【WBC】岡田彰布が考える「侍ジャパン理想のオーダー」

  • 柳川悠二●文 text by Yanagawa Yuji
  • 小内慎司●写真 photo by Kouchi Shinji

岡田氏がキーマンに挙げる松田宣浩岡田氏がキーマンに挙げる松田宣浩 2~4番まで左打者が並ぶが、鳥谷は左投手を苦にしないと語る岡田氏2~4番まで左打者が並ぶが、鳥谷は左投手を苦にしないと語る岡田氏
 宮崎合宿を打ち上げた2月21日、侍ジャパンを率いる山本浩二監督は、「打順はまだ決めていない」と言った。前田健太が右肩に不安を残すなど、投手陣のコンディションが整っていない現状では、まず投手の起用法に頭を悩ませるのは仕方がない。しかし、合宿中に行なわれた2度の練習試合で、野手陣のレギュラーはある程度決まってきた。 

 捕手は阿部慎之助。一塁には稲葉篤紀が入り、二塁を鳥谷敬、三塁は松田宣浩、遊撃は坂本勇人が守る。外野手はレフトから内川聖一、長野久義、糸井嘉男。DHは中田翔が基本線で、このまま調子が上がらなければ右投手の多いチームが相手の場合、昨シーズンのパ・リーグ首位打者・角中勝也が入るかもしれないというのが、大方の見方だ。

 代表28人の顔ぶれを見て、昨シーズンまでオリックスで指揮を執っていた岡田彰布氏はこう話す。

「まずポジション的に、一発の期待できる中田をどこで使うかやろうな。練習では稲葉と一塁に入っていたけど、稲葉の方がゴロを捌くのがうまいし、左右のフットワークもいい。一塁というのは意外に重要なポジションで、守備に不安のある選手が入ると、チームが落ち着かなくなるんよ。だから、一塁には稲葉を置きたい。そうなるとレフトを内川と争うことになるやろうけど、前回の大会も内川はレフトを守って、大事な場面でいいプレイをした。やはり守備力を考えれば、内川の方がええんとちゃうかな。そうなると中田はDHで使うしかない」

 練習試合を見る限り、山本監督は左右打者が交互に入る「ジグザグ打線」を基本オーダーと考えているようで、17日の広島戦では1番から長野、鳥谷、坂本、阿部、内川、糸井、中田、稲葉、松田と並べていた。しかし、岡田氏の考える理想オーダーは、山本監督とは少し異なる。

「誰がどう見ても、このチームの中心は阿部。4番は阿部で動かせない。そこから考えていくと、3番には率も残せて、一発もある糸井を置きたい。それに足もあるし、相手バッテリーを揺さぶってほしい。5番には状況に応じてバッティングできる内川を入れて、6番は稲葉かな。経験から、6番に勝負強い打者がいるチームは強い。ここに稲葉が入れば、厚みのある中軸になると思うよ」

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