【WBC】与田剛に聞く。この日本代表投手陣で勝てるのか? (3ページ目)

  • 木村公一●構成 text by Kimura Koichi
  • 益田佑一●写真 photo by Masuda Yuichi

―― 今回、3連覇のためにポイントとなるのは?

与田 初戦でしょうね。始まる前にこう言うのもなんですけど、初戦のブラジルが気になって仕方がないんです。前回の初戦は中国が相手でした。誰もが勝てる相手と思ったはずですが、そのとき『初戦の大事さ』を心のどこかで軽視していた気がしたんです。それでいざ試合となったら初回、2回と走者を出しながら、得点が入らない重苦しい展開。あれれ、おかしいぞという不穏な雰囲気が、ブルペンにも伝わってきた。それが3回、相手投手の暴投から一気に3点入って、初めて落ち着きを取り戻すことができたんです。もし暴投がなかったら、あの後の展開はずっと重苦しいものだったと思うんです。で、今回の初戦の相手はブラジルです。ヤクルトの松元ユウイチら日本のプロやアマ経験者もいるので、もちろん油断なんかできない。むしろ『未知の敵』という不安の方が大きい。とにかく、先取点だけは許さないようにしないといけない。ピッチャーからリズムを作っていければと思っています。

―― カギを握る投手を挙げるとしたら?

与田 うーん、正直言って、今はまだ僕の中にはいないですね。あえて挙げるなら投手と言うより、リードする(阿部)慎之助かな。前回大会は城島(健司)が正捕手で慎之助は2番手でしたが、この4年間で彼がどれだけ成長したか、それを証明できるまたとない舞台だと思います。

―― 最後にWBCに向けての抱負をお聞かせ下さい。

与田 WBCって、球数制限などの特殊なルールを含め、まったく新しい、あるいはまったく別の野球なんですよね。その特殊さに早く順応できるかどうか。あと、第2ラウンドを勝ち上がればサンフランシスコに行くわけですが、3月に行ったことがないので乾燥の度合いや気候など、そのあたりがどうなのか……。気にしたらきりがない。でも、今回の選手たちなら必ず結果を出してくれると思います。若いとはいえ、期待を込めての選出ではなく、しっかり結果を出せると思える選手たちを選抜したのですから。

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