【プロ野球】期待の新戦力、世代交代。セ・リーグキャンプはここに注目! (2ページ目)

  • 石塚隆●文 text by Ishizuka Takashi
  • 益田佑一●写真 photo by Masuda Yuichi

2年連続クライマックス・シリーズ(CS)進出のヤクルトは、7年ぶりに岩村明憲が復帰。2011年にメジャーから日本球界に復帰した岩村だが、楽天での2年間は思うような結果を残せず、戦力外通告を受けた。今年34歳を迎える岩村だが、まだ老け込む年齢ではない。キャンプでは岩村が恩師と仰ぐ若松勉氏が臨時打撃コーチとして訪れる予定で、持ち前のバッティングが復活するのか見ものだ。また、小川淳司監督からは一塁挑戦も指示されており、浦添キャンプではファーストミットをつけた岩村が見られるだろう。

 そしてヤクルトのもうひとつの注目が、センターのポジション争いだ。昨年、不動のセンターだった青木宣親(ブルワーズ)が抜け、「ポスト青木」争いに注目が集まったが、結局、レギュラー定着を果たした選手はいなかった。上田剛史、比屋根渉、飯原誉士、松井淳、雄平など候補はたくさんいるだけに、熾烈なレギュラー争いが繰り広げられそうだ。

 そのヤクルトと昨シーズン終盤、激しい3位争いを繰り広げたのが広島。3年目の堂林翔太が頭角を現しチームも勢いに乗ったが、シーズン終盤は深刻な得点力不足に泣かされ、15年ぶりのAクラスを逃してしまった。そんなカープ打線に、今年は栗原健太が復活する。昨年5月に右ひじの手術をして戦列を離れていたが、1月27日にキャンプ地の日南(宮崎)に先乗りし、フリー打撃で快音を連発させていた。

 栗原の復帰に堂林も刺激を受けているようで、自主トレ中も外角の打ち方を栗原に何度も尋ねている姿があった。昨年は球団新記録の150三振を喫した堂林だが、「長打を生かさないと、昨年やってきた意味がない」とキッパリ。自慢の長打力に確実性を高め、カープ打線を自らのバットで引っ張っていく心構えだ。

 また投手では、昨年セットアッパーとしてチームを支え、WBC代表候補にも選出された今村猛。キャンプが始まる前から何度もブルペン入りし、例年以上の急ピッチで仕上げに入っている。野村謙二郎監督の中には、今村を抑えで起用する考えがあり、キャンプで昨年の守護神・ミコライオと競わせるという。もし若き守護神が誕生すれば、今年こそ念願のAクラス入りも現実味を帯びてくる。

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