【プロ野球】大型補強の行方。
阪神、DeNA、楽天に「下克上の予感」

  • 谷上史朗●文 text by Tanigami Shiro
  • photo by Thomas Anderson/AFLO

 また、球団創設2年目を迎えるDeNAも、中日で活躍していたブランコ、ソト、ソーサの3人と契約を結び、ソフトバンクとのトレードで多村仁志、神内靖、吉川輝昭を獲得。まさにフロントの意気込みを感じる補強を行なった。昨オフはオーナー会議で球団の承認を受けるのが遅れ、戦力補強に動く時間がほとんどなかったが、今オフは春田真オーナーの「言い訳できない戦力にする」という宣言通りの動きをみせた。再び、伊原氏が語る。

移籍した選手の昨季の成績
ブランコ(96試合 打率.248 本塁打24本 打点65)
ソト(18試合 4勝1敗 防御率2.17)
ソーサ(53試合 5勝1敗4S 防御率1.85)
多村仁志(79試合 打率.250 本塁打4本 打点20)
神内靖(20試合 0勝0敗 防御率5.47)
吉川輝昭(25試合 0勝1敗 防御率5.29)

「以前は、現場が望んでもなかなかバックアップの資金が出なかった。それが今回の補強でこれまでとは違うところを示した。ブランコも穴は多いけど、本拠地がナゴヤドームから横浜スタジアムに変わるので、一発の怖さは増すでしょう」

 昨年、46勝85敗13分のDeNAだが、1点差負けのゲームが25試合。「あと1本出ていれば......」という場面が何度もあった。中日時代の4年間で111本塁打を放ち、本塁打王1回、打点王1回の経験を持つブランコの加入は、間違いなく大きな得点力アップにつながるだろう。また、ブランコの前後を打つであろう筒香嘉智、ラミレスにも好影響を及ぼす可能性がある。伊原氏は、「DeNAの補強は、セ・リーグの戦いを面白くする。そんな予感がしています」と言った。昨年、巨人に対し4勝17敗3分、広島にも6勝16敗2分と大きく負け越したDeNA。その差を少しでも詰めることができれば......。大型補強により生まれ変わろうとしたDeNA。今年はどんな結果が待っているのだろうか。

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