【プロ野球】英智×小田幸平が語る「ドラゴンズが強いワケ」 (2ページ目)

  • 石田雄太●構成 text by Ishida Yuta
  • 日刊スポーツ●写真 photo by Nikkan sports

小田 いやいや、ヒデはすごいよ。ヒデの守備はありえない。今まで見てきた中で一番、上手い。ほら、オレが靱帯やっちゃったプレイ、あったじゃん。ナゴヤドームのロッテ戦かな(2008年6月21日)。

英智 ファウルボールを捕って、フェンスにぶつかって、そのまま振り返って投げたヤツね。

小田 ライトのヒデがファウルグラウンドで捕ったら、三塁ランナーのベニーがタッチアップで走ってきた。で、ヒデが思い切り放ってきた。あんな体勢からストライクが返ってくるなんて、あんなん、ありえない。おお、放ってきた、放ってきたと思ったんだけど、ランナーがベニーだということを忘れていて、ブロックしたら『ありゃ』みたいな(笑)。ストライクを投げてくれて、アウトになったからよかったけど、でも、オレが靭帯やった(苦笑)。

英智 僕、誰かとご飯を食べに行っても、野球の話は一切しないんですけど、でも、幸平とは野球の話、たくさんしたよね。同級生だからよく一緒にご飯を食べに行ったけど、幸平とは野球の話をしてもストレスにならなかった。その感覚が、自分の中で新鮮だったなぁ。幸平がドラゴンズに来るまでは、ユニフォームを脱げば野球の話なんていいじゃん、という感じだったんですけど。

小田 僕もそうだったな。ヒデとは誰よりも野球の話をしてる。同級生でここまで何でも話せるのは珍しいよ。メシに行くだけの同級生はいますけど、お互いに刺激し合って、勉強にもなって、それでいてプライベートでも楽しい。そんなヤツって、なかなかいないからね。タイプ的には同じクラスにいたら仲よくなりそうにないけどね(笑)。

英智 僕は基本的に外に出ないからね。幸平がいなかったら、ホント、ひとりでぼーっとテレビを見ているし......何でだろうな。幸平とは野球の話をしてもイヤじゃなかったし、細かい話をしても全然、苦にならない。あそこはどういう気持ちでリードしてるの、とか、ああ、やっぱりそういう考えでリードしてたんだ、とか、答え合わせをしてた。それまでキャッチャーの気持ちって聞いたことがなかったんだけど、野球ってキャッチャーがサインを出さないと始まらないじゃない。キャッチャーのサインで打球が飛ぶ方向も随分と変わるし......。そういう話を、メシを食べながらすることで参考になることが多かったし、すごく勉強になったよ。

小田 逆もあった。ヒデがどんな気持ちでプレイしていたのか、あの場面で右に打とうとしていたのはそういう理由だったのか、とか......。自分がキャッチャーとして似たような状況になった時、ヒデがああいうふうに考えた場面だから相手はこうしてくるかもしれない、と考えたりできたね。誰よりも野球の話をしてきたよね。

英智 ほら、今年のジャイアンツとのCSでも、僕ら、一緒にベンチに座っていて、『オレ、荒木とは長いこと一緒にやっているけど、荒木は絶対、ここでバンドの構えをするよ』って幸平に言ったよね。

小田 そうしたら荒木が本当にバントの構えをして、『ワーッ』って。

英智 あと、ワンボールになった時、『これ、松本(哲也)、バントの構えするよ』って言ったら、本当にしてな(笑)。

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