【プロ野球】2年前の首位打者・西岡剛は阪神の救世主となれるのか? (3ページ目)

  • 谷上史朗●文 text by Tanigami Shiro
  • 日刊スポーツ●写真 photo by Nikkan sports

 そうした状況の中、今回、阪神への入団が決まった西岡の活躍には注目したいところだ。今年まで野球評論家として活躍し、来季から日本ハムの守備・走塁コーチを務める大塚光二氏は言う。

「これまでの選手と違い、西岡は20代で日本に戻ってきた。まだまだ体力的に衰える年齢ではないし、十分なパフォーマンスは見せてくれると思います。不安があるとすれば、精神的な問題だけじゃないでしょうか。人気球団ですので、活躍している時はいいですが、結果を残さないとすごいバッシングを浴びる。そうした中で、どれだけ自分というものを保てるかでしょうね」

 それに加え、土井氏が指摘した「今の状態」と「技術」の部分がどうかだ。

「西岡の場合、向こうでは故障もあって、なかなか思うような活躍ができかったようですが、肝心のバッティングの状態はどうだったのか注目ですね。状態がよかったのにチャンスに恵まれなかったのか、バッティングそのものが崩れてしまっていたのか。周りは、『アメリカに行く前の形に戻せばいいじゃないか』と簡単に言いますが、バッティングはそんな単純なものではありません。もしガタガタな状態になっていたら苦労するかもしれません」

 メジャーに挑戦する前の2010年、西岡はリーグ最多の204安打、打率.346をマークし、首位打者を獲得した。しかし、西岡がアメリカで挑戦を続けている間、日本では統一球が導入され、打者の立場は厳しいものになっている。本当の意味で西岡のバッティングレベルが問われることになるだろう。逆境をはねのけ、阪神の救世主となれるのか? 来シーズン、西岡から目が離せない。

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