【プロ野球】日本シリーズ開幕。投手力充実の日本ハム「3度目の正直」に自信 (2ページ目)

  • 阿部珠樹●文 text by Abe Tamaki
  • 青山浩次●写真 photo by Aoyama Koji

 吉川はシーズン終盤のライオンズとの優勝を争うゲームで完封勝ちを収め、ホークスとのCSファイナルの初戦でも好投してチームに弾みをつけた。ファイターズがシリーズを制する上で吉川の活躍は欠かせない。まずは吉川とジャイアンツ打線の対決に注目が集まる。

 さらに野村氏は、「シリーズは一方的な展開の試合よりも僅差の展開が続く」と読む。 昨年のホークスとドラゴンズの日本シリーズも、1点差が4試合、2点差が1試合と僅差のゲームが多く、そのうち延長戦は2試合あった。特に日本シリーズは、試合時間に関係なく、延長15回まで戦う。3時間半を超えると新しいイニングに入らないシーズン中の戦いと違い、同点の場合などは延長も考えながら継投をしなければならない。その点からも、リリーフ陣の出来が重要になってくる。

「CSを見る限り、リリーフ陣の状態はファイターズの方がいいように思えました。セットアッパーの増井浩俊も調子が上がってきたし、クローザーの武田久も相変わらずの安定感を見せている。さらにここに来て、左の石井裕也の状態がよく、ワンポイントでもロングリリーフでも起用できるのは大きな強みですね」

 それに対してジャイアンツのリリーフ陣は、やや安定感に欠けるという。

「CSではセットアッパーの山口鉄也も、クローザーの西村健太朗も失点する場面が目立ちました。シーズン中に比べるとボールにキレがなかった印象を受けました。ふたりの状態がどこまで上がっているか、気になるところですね」

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