【プロ野球】セ・リーグCS。エース不在の中日が見出す活路とは?

  • 阿部珠樹●文 text by Abe Tamaki
  • 益田佑一●写真 photo by Masuda Yuichi

右肩痛により二軍調整を続けていた浅尾拓也だが、ここにきて調子を取り戻してきた右肩痛により二軍調整を続けていた浅尾拓也だが、ここにきて調子を取り戻してきた 75勝53敗16分――貯金22を作りながら、ジャイアンツに10.5ゲーム差をつけられ2位に終わったドラゴンズ。とはいえ、パ・リーグ優勝のファイターズが74勝59敗11分だから、いかに戦力が充実していたかがわかる。

 そのドラゴンズだが、10月13日から始まるクライマックス・シリーズ(CS)ファーストステージでセ・リーグ3位のスワローズと戦う。軽く一蹴してジャイアンツとの決戦に進みたいところだが、大きな不安材料がある。それがエース・吉見一起の離脱だ。

 今シーズンだけでなく、昨シーズンのCS、日本シリーズでも抜群の安定感を見せた柱の不在は、守り勝つ野球のドラゴンズにとって大きな痛手になるはずだ。この穴をドラゴンズはどうやって埋めていくのだろうか。

「早い回からどんどんリリーフをつぎ込むのではないでしょうか」

 そう予測するのは、かつて中日、ロッテで活躍し、横浜ベイスターズ(現・横浜DeNAベイスターズ)の監督を務めたこともある評論家の牛島和彦氏だ。

「先発は山内壮馬、中田賢一、ソト、川上憲伸あたりが出てくるでしょうが、いずれにしても柱になるのは厳しい。逆にいえば、長い回を引っ張らなくてもいい。4回、5回からリリーフをつぎ込むといったペナントレースではあまり見られない投手起用をすると思います」

 ドラゴンズ攻撃陣もチーム打率.245(リーグ3位)、得点423(リーグ4位)と、決して大量点が期待できる打線ではない。先制した場合はもちろん、リードを許した展開でもそれ以上傷口を広めないために早め、早めの交代をしてくるというのだ。それを可能にするのがドラゴンズのリリーフ陣の層の厚さだ。

「普通のチームは、勝ちパターンでのリリーフは3人ぐらい。それがドラゴンズの場合は2試合分、つまり任せられるリリーフが6人ぐらいいる。1勝の重みがペナントレースとまったく違ってくる短期決戦なので、出し惜しみする必要はない。どんどん起用してくると思いますよ」

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